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【がん電話相談から】肺がん術後の気胸

 Q 75歳の夫は、3カ月前に左の肺がんで左下葉を切除しました。ステージII~IIIで、リンパ節転移が2個ありました。術後、肺に穴があいて空気が漏れている(気胸)と診断され、自己血注入で胸膜癒着術を施行。退院後も呼吸困難が続き、検査で胸水貯留が認められました。退院前後で左肺の広がりに変化ありません。今後の治療は?

 A 左肺は上葉と下葉の2つに分かれています。きれいに分かれる人は意外に少なく、部分的に分かれの悪い肺は自動縫合器を使用して切離しますが、その切離部付近から空気漏れが起こることがあります。また肺がん手術の多くの場合、リンパ節を切除(郭清)するので、リンパ節に接していた肺から空気漏れが起こってしまうことがあります。ご主人の場合、残った上葉から空気が漏れていたことになります。多くの患者さんでは、数日で止まってしまいますが、今回のようになかなか止まりにくいときは、癒着剤として自分の血液や薬剤を胸腔内に注入して空気漏れの穴をふさぎます。通常、空気漏れが止まれば数日の間に肺が広がってくるはずです。

 胸膜癒着術後、肺からの空気漏れがおさまったにもかかわらず、残った上葉が広がってこなかったのか疑問が残ります。血液製剤を注入して膜を作って空気漏れを止めたものの、肺の表面にその血液がこびりつき、それ自体が肺の広がりを妨げている可能性もないわけではありません。レントゲンを拝見しないと不明ですが、残った肺があまり広がれない肺であったなら、将来的に肺を広げるのは難しいかもしれません。切除した肺のスペースを埋めるために胸水がたまるのはごく普通にあり、残った肺をつぶすような状況でたまってしまうことが時にあります。背中に超音波を当て、胸水がたくさんたまっている所に針を刺し、管を入れ、あふれ出る分だけ胸水を抜くことを一度試してみるといいかもしれません。

                   

 回答には、がん研有明病院の奥村栄・前呼吸器外科部長が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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