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【話の肖像画】智弁和歌山前監督・高嶋仁(72) (1)甲子園最多68勝…今も体震える

智弁和歌山前監督・高嶋仁さん(奥清博撮影)
智弁和歌山前監督・高嶋仁さん(奥清博撮影)

 〈昨年8月、長年指揮した高校野球の強豪・智弁和歌山の監督を退任。甲子園通算68勝は監督として最多。現在は解説や講演活動などで多忙な日々を過ごす〉

 野球の指導をしている方が楽ですよ。毎週のように講演もありますし、講演以外にもテレビ局のイベント出演などもある。結構バタバタと忙しくしています。講演の仕事も退任前に比べれば倍以上になっています。「(退任の)ほとぼりが冷めるまではしゃあない」と諦めているんですけどね。野球はグラウンドの中で忙しいだけなのでいいですが、今はあっち行ったりこっち行ったりと、移動が忙しいから大変。昨年末も東京に行って九州に飛行機で飛んで、また東京にと、2往復ぐらいしました。

 〈昨年(甲子園の)春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭に対抗心を燃やす中、監督の退任は突然な印象を受けた〉

 退任については、だいぶ前から学校側に相談していた。学校から「ちょっと待ってくれ」と言われて、退任が延びていただけです。最初に考えた区切りは、平成27年に和歌山で行われた国体。それが結局延びて、今度は(昨年夏の)選手権の100回大会を区切りにしようと思った。その上、学校(智弁和歌山)が創立40周年の年で、春夏と甲子園に出たい思いがあった。100回大会にも出場できたので、辞めようと決めた。

 ただ、学校側に「もうちょっとやれ」と言われても、今年の3月31日で辞めようと思っていた。それは孫が智弁に入ってくるから。孫と一緒のチームで監督はできないですよ。小さい頃から甲子園に応援しに来てくれているわけでしょう。その子が入ってきて、「このアホ、ボケ」とは言えない。自分の子供だったら言えますけど、孫にはそうそう言える言葉じゃない。

 〈昨春の選抜大会は決勝戦で大阪桐蔭と対戦。18年ぶりの決勝の舞台だった。しかし、今春は選抜大会の舞台・甲子園にはいないことになる〉

 (甲子園で)決勝に来たら、それまでとチームの雰囲気が全く違う。勝ったら日本一ですし、気持ちの高ぶりがある。それは監督に限らず、チーム全体も。今の子は大舞台にのみ込まれる子はあまりいない。昨年春の時点では、大阪桐蔭相手でもやれると思った。選抜が近づく今も「甲子園に行きたい」と体が震える「禁断症状」が出ている。しようがないですよね。48年間これ一本でやってきたから。(聞き手 尾崎豪一)

                   

【プロフィル】高嶋仁

 たかしま・ひとし 昭和21年、長崎県生まれ。高校時代、海星(長崎)で甲子園に選手として2回出場した。日本体育大学を卒業後、智弁学園(奈良)のコーチ、監督に就任。55年から智弁和歌山で監督を務め、強豪校に育て上げた。平成22年の選抜大会で甲子園最多勝記録を更新し、春夏通算68勝、優勝3回。昨年8月に監督を退任し、名誉監督に就任した。

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