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堀ちえみさん公表の舌がん 増加傾向

舌がんを公表したタレントの堀ちえみさん=1月28日、東京都渋谷区
舌がんを公表したタレントの堀ちえみさん=1月28日、東京都渋谷区
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 タレントの堀ちえみさん(52)が舌がんであることを公表し、手術を受けた。舌は食事や会話に大切な器官だ。早い段階でがんを発見するには、どうしたらいいのか。専門家に聞いた。(文化部 油原聡子)

痛みで目覚める

 堀さんは2月19日、ブログで舌がんを公表。「ご報告させていただきます」と題した投稿の中で、診断に至るまでの経緯を詳細につづった。

 ブログによると、堀さんは昨夏、舌の裏側に小さな口内炎ができた。塗り薬や貼り薬を使用しても痛みは増し、歯科を受診したが、治らなかった。左の側面にも、硬いしこりができてしまう。主治医からは持病の薬の副作用のおそれを指摘され、服用をやめたが、しこりは増え続けた。

 堀さんは、ブログで次のように明かす。

 《左側の舌に激痛が走り、やがて食べ物が沁み、喋るのが辛くなり、眠っていても痛みで、夜中に目が覚めてしまうように、なってしまったのです》

 こうした症状から舌がんを疑い、今年1月、大学病院を受診、まさに舌がんだと診断された。左側の首のリンパ節にも転移していた。2月22日に、耳鼻咽喉科・口腔(こうくう)外科・形成外科が連携しての11時間に渡る手術を受けた。頸部(けいぶ)リンパ節を取り、舌の6割を切除。太ももの組織を使い、舌の再建手術を行ったという。

口腔がんの半数、男性に多く

 「舌がんの患者数は全がんの1%ほど。脳腫瘍などとともに希少がんの一種とされています」と話すのはがん治療認定医で、東京都立駒込病院歯科口腔外科の大山定男医長。

 国立がん研究センターのがん統計によると、平成26年の「口腔・咽頭がん」の罹患(りかん)率(人口10万人のうち何例罹患したかを表す値)は男性で21・6、女性は8・4。うち舌がんは、口腔(こうくう)がんの半数とされる。

 だが、大山医長は「ほかのがんと同様に高齢化で増加傾向にあります」と続ける。喫煙や飲酒などが原因に挙げられ、男性に多く発症する。

 「がんは舌の端、側面にできやすい。口内炎のように見えるので、放置して進行してしまうケースもあります」

 外側に大きくなっていくがんもあれば、表面は正常で深部に進行している場合もある。大山医長は「しこりが発生して舌が硬くなると、動かしづらくなり、話しづらくなります」と話す。

 初期は我慢して食事ができても、進行すると舌が動くと痛みを感じ、食事がとれずに痩せてしまうこともあるという。

治らない口内炎は放置しないで

 舌がんは、進行度によって4段階に区分される。

 東京医科歯科大医学部頭頸(とうけい)部外科学講座の朝蔭(あさかげ)孝宏教授は「治療では、患部を切除する手術が一般的です」と話す。がんと思われる部分から1センチ外側までを切除する。

 朝蔭教授は「早期の場合は、切除した部分を縫い、縮めます。話しづらい、食べづらいといった機能障害はほとんど出ません」と説明する。

 ステージ3以上の進行がんは、患部を切除すると同時に、太ももの外側やへその脇などから皮膚を移植し、舌の再建手術を行う。術後10日から2週間ほどでリハビリが始まる。

 「手術後、どの程度機能が回復するかは、切除した範囲、年齢が関係してきます。例えば、舌の先を切除すると発音に影響が出てしまう」(朝蔭教授)

 以前と同じように食事できる人もいれば、流動食にとどまってしまう人もいるという。

 舌がんの5年生存率は、ステージ1、2で80~90%、ステージ3で60~80%、ステージ4で30~40%とされる。早期の発見が肝心だ。

 歯科口腔外科を受診するケースが多いが、舌がんは耳鼻咽喉科でも診察の対象で、日本頭頸部外科学会は頭頸部がんの専門医をホームページで公表している(https://jshns.org/)。

 朝蔭教授は「痛みが出たり、口内炎が2週間以上治らない場合には自分で判断せずに、早めに受診してほしい」と話している。

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