PR

ライフ ライフ

【写】過去と未来はつながるのか 畠山直哉さんが撮り続ける「陸前高田」

畠山直哉「陸前高田市気仙町愛宕 2018年7月25日」
畠山直哉「陸前高田市気仙町愛宕 2018年7月25日」

 「何かがなくなったとしても、そこに立つと思い出したり懐かしかったりするでしょう。でも、土が積まれて、名残というものまで消えてしまった。親近感がなくて、過去の気持ちとつながっていかない」

 11日に岩手県陸前高田市を訪ね、写真家の畠山直哉さん(60)と会った。畠山さんは東日本大震災で陸前高田の実家を流され、母を亡くした。その後、東京と岩手を往復しながら故郷の撮影を続けている。震災翌年に同行取材して以来、折々に話を聞かせてもらってきた。今年も追悼式典のあと、少しだけ時間をもらえた。

 久しぶりに見た陸前高田の景色はかなり変わっていた。市街地の中心部は10メートル以上かさ上げされ、その上に新しい町が生まれつつある。ショッピングセンターと商店街ができていて、周囲の造成地にまっさらな住宅もいくつか。

 「文明的で官僚主義的で大きな力が働いていて、個々の人の反応はそれぞれ。人口は減っているし、シビアな状況は続いている。どうなっているのか、確かめに来ている感じですね」

 かさ上げされていない場所には、震災直後のままの建物も点在している。降り続く雨で大きな茶色い水たまりができていた。畠山さんがカメラを取り出してシャッターを切る。「帰ってきても寂しくなるが、目の前にあるものは事実だから撮る。これだけひどい災害が自分の生まれ育った環境に起きてしまった。撮らざるを得ないですよ」

 町の上に重ねられた町は同じ場所なのだろうか。過去と未来はつながるのだろうか。畠山さんの言葉を聞きながら、そんなことを思った。ショッピングセンターの一角に、旧市街と新市街を重ねた地図が置かれていた。(篠原知存)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ