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【インターン新聞より】夕焼けエッセー・すべてを許せる「天使ちゃん」 生田真純(21)

 17歳になってすぐの頃、私たち家族の元に新しい命がやってきました。それが今の弟です。私にとって赤ちゃんという存在は、ほぼ「悪魔ちゃん」でした。

 当時はもちろん子育て経験がないうえに、勉強よりも抱っこにオムツ替え、ミルクの温度を適温にすることに労力を注いでいました。どっちが母親なのかわかりません。

 弟と家で一緒に過ごすようになってから少したつと、今度は激しい夜泣きの日々に、徐々に精神が壊れていく音が自分の中で聞こえてきました。30分おきに「ぴゃーっ」という叫び声が聞こえると意識がもうろうとしました。子供を育てるために母親がいるのに、先に死んでしまうんじゃないかと思うほど大変でした。

 でも、いつの間にか自分の手がゆりかごをゆらゆら押しているのです。

 少し身体も大きくなって首も据わってきた弟が、あたしの膝の上でご飯を食べているときにそれは起こりました。運ばれてきた熱々のおみそ汁のお椀(わん)へと、弟の小さな手がまるごと飲み込まれていったのは、一瞬の出来事でした。ボーッとしていましたが、弟の叫び声とおびえた顔だけははっきり覚えています。

 もうすぐ4歳になりますが、まだまだ生意気なやんちゃ坊主です。けれどもぷくっとしたほっぺをにんまりさせながら「ねぇちゃん」と呼んでくれたとき、私の目には弟の姿が「天使ちゃん」に見えるのです。

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