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見直される「祈り」や「追悼」 企業・団体が垣根越え意識喚起

「祈りの日」に合わせたイベントで揮毫をすることになっているダウン症の書家、金沢翔子さん
「祈りの日」に合わせたイベントで揮毫をすることになっているダウン症の書家、金沢翔子さん

 現代社会のなかで希薄化が指摘されている「祈り」や「供養」「追悼」といった感情について、意識喚起をしようという動きが供養産業や宗教界のなかで広がっている。希薄化に対する強い危機感が、企業や団体などの垣根を越えた連携の背景となっている。

 ◆3月27日、記念日に

 平成27年に立ち上がった供養関連業者などの横断組織「小さな祈りプロジェクト PRAY for (ONE)」では、3月27日を「祈りの日」に制定して、啓蒙(けいもう)活動に取り組んでいる。685年3月27日に、天武天皇が発した詔(みことのり)に「家ごとに仏舎をつくり供養せよ」という趣旨の文言があることにちなんだ。

 プロジェクトは「現代人は『誰かのために祈る』という時間を失いつつあるのではないか」と危機感を持った仏壇業者「保志」(福島県)が中心となった。

 同じような危機感を持つ、墓石、供花、仏具、各宗派の寺院などに広がり、67の企業や団体、宗派が名を連ねるまでの運動体になっている。

 プロジェクトでは、祈りの気持ちを持ちながら鶴を折る活動を広めている。また、今年の祈りの日には日蓮宗の本山・池上本門寺(東京都大田区)で記念法要をするほか、ダウン症の書家として活躍する金沢翔子さんを迎えて「祈りの揮毫(きごう)」を披露してもらう。午後1時半からの記念法要と揮毫は、祈りの大切さを共感してもらいたいとして、一般の参加も受け付けることにしている。

 事務局では「日常生活の中で小さな祈りをすることが、心や生活を豊かにしていくことに気づいてもらえればうれしい」と運動の広がりと、催しへの参加を呼びかけている。

 ◆「供養の日」も登場

 3月27日が祈りの日なら、9月4日はその語呂から「供養の日」だ。墓石葬祭業者の「メモリアルアートの大野屋」(東京都)が呼びかけて平成29年に「供養の日普及推進協会」を設立。法要やシンポジウムなどで、供養の大切さを伝える活動をはじめている。

 同社の調査で「お墓参り」「役割を終えた道具や人形」などに対して「大切だが何をしていいか分からない」という人が多くいたことに危機感を持ったことが活動のきっかけだ。

 例えば、葬儀に関しては27%もの人が、「大切だが何をしていいか分からない」と回答。「お墓参り」に関しても同様の回答が17%にのぼった。

 推進協会には、供養に対する意識の希薄化に危機感を持つ寺院、葬儀、墓石業者を中心に80を超える企業、団体、宗派がパートナーとして協力するまでになっている。

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