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「介護は無理せず」認知症の母との12年、エッセーに

今年に入ってから入退院を繰り返すようになった酒井アサヨさん(左)と、「家にいるときは寝ている時間が増えた」と話す娘の章子さん=大阪市中央区
今年に入ってから入退院を繰り返すようになった酒井アサヨさん(左)と、「家にいるときは寝ている時間が増えた」と話す娘の章子さん=大阪市中央区
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 編集プロダクションやギャラリーを主宰している大阪市の酒井章子さん(59)が、認知症の母、アサヨさん(91)との生活をつづったエッセー「認知症がやってきた! ママリンとおひとりさまの私の12年」を出版した。家族だからこそ、実体験だからこそ話せる“本音”が、多くの人の共感を呼ぶ。(木村郁子)

毎日ジェットコースター

 アサヨさんに認知症の初期症状が出たのは平成18年。最初の2年間は、アサヨさんのいる実家と大阪を行ったり来たりしながら「遠距離介護」をしていたという。

 実家に行くと、冷蔵庫には何十本のマヨネーズ。食事はスーパーの総菜。2階に上がって衣装ケースを見ると、同じようなブラウスが山のように…。嫌がるアサヨさんを、大阪に遊びに来るよう仕向け、ようやく同居に踏み切った。

 「暴言、徘徊(はいかい)、妄想、興奮、昼夜逆転…。母は本当にさまざまな症状が出ました」と、酒井さんは介護生活をしみじみ語る。アサヨさんとの暮らしは、まるで「ジェットコースターのよう」だったとも。

 施設への入所も考えたが、デイサービスセンターから“脱走”し、警察から電話がかかるような状況では、かなわなかった。

 「同居を少しでも先延ばしにして、自分の生活を守りたかっただけかもしれません。無駄なあがきをせず、腹をくくってさっさと諦めればよかった」

「カモ時代」から「楽勝時代」

 本は、酒井さんが、認知症に付随する症状に振り回されては、そのたびに対処方法を見つけていく過程を7章に分けて、追いながら進む。名付けたネーミングが印象的だ。

 最初、アサヨさんがつくその場しのぎの嘘にだまされる「カモ時代」(第1章)から始まり、妄想や暴言、ぶち切れモードに心を痛ませる「猛獣使い時代」(第3章)を経て、認知症の症状が進んだことにより、かわいいおばあちゃんになった「楽勝時代」(第6章)に行き着く。

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