PR

ライフ ライフ

日本でも広がる「婚前契約」 トラブル防止、不安を解消

婚前契約書を手にするSILVAさん=神奈川県内
婚前契約書を手にするSILVAさん=神奈川県内
その他の写真を見る(1/2枚)

 夫婦間のルールや離婚時の財産分与などを結婚前に書面で取り決める「婚前契約」が広がりを見せている。欧米では一般的な制度だが、日本では「結婚する前に別れる時の話をするなんて縁起でもない」と敬遠されがちだった。しかし、年間20万組が離婚する中、トラブルの事前防止だけでなく、お互いの価値観を確かめて不安を解消する手段としても注目されている。

 (1)外での飲酒は週2回まで(2)記念日は共に過ごす(3)離婚した場合の慰謝料は100万円-。歌手のSILVA(シルバ)さん(43)は平成27年、現在の夫である1歳上の男性会社員と34項目の婚前契約書を作成し、公正証書にした。

 2人とも1度離婚した経験がある。「しっかりと決めごとをせず、前の離婚のときにはもめてしまった。せっかく再婚するなら、失敗したくないという思いもあった」とSILVAさん。約10年前に3年間暮らした米国で、周囲が「プリナップ」と呼ばれる婚前契約を交わし、安定した関係を築いていたことを思い出し、法律事務所に相談した。

 最初は「何それ」と驚き、ためらっていた相手を1年半かけて説得し、お互いの考えを文章にしていった。内容は仕事、家事・育児の分担からギャンブルや浮気・借金の禁止、離婚時の親権や養育費まで多岐にわたる。「帰宅時間を毎日連絡し、速やかに返信する」という項目は、災害時のことを考えた相手の要望で盛り込んだ。共働きであることを考慮し、義理の親の介護は「自発的に行い、強要はしない」とした。

 SILVAさんは「契約を破るのは相当の覚悟がいる」と笑う。「一緒に作ったので『言った、言わない』のけんかにはならない。お互いに責任を持ち、尊重し合える夫婦になれた」

 一般社団法人「プリナップ協会」代表理事で行政書士の多田ゆり子さん(40)は、26年から70組の婚前契約書を有料で作成してきた。20~40代の女性を中心にじわじわと申し込みが増えているという。女性は交際相手の浮気や借金に悩まされ結婚に不安を抱いているケース、男性は自分が築いた資産を守りたいケースが目立つ。ほとんどのカップルは公正証書にする。

 価値観が合わず、話し合いの末に結婚を考え直した人も。多田さんは「結婚の現実を見つめることで、夫婦の関係をよりよいものにすることができる」と説明する。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ