PR

ライフ ライフ

【正木利和のスポカル】パフォーマーの肉体と美術家の道具で描くエロチックでアスレチックな世界

池田精堂の作品。引き出しをあけると、ポールダンサーのERIKAの手の画像と切り取ったポールが現われる=神戸市兵庫区
池田精堂の作品。引き出しをあけると、ポールダンサーのERIKAの手の画像と切り取ったポールが現われる=神戸市兵庫区
その他の写真を見る(3/6枚)

 なかでもメーンはパフォーマンス。その本質は、使い手と作り手が互いに技術を集約させて身体と物の関係を見つめることで生み出される独自の表現にある。

 「わたしがどう使うかを提案して池田さんが取り入れて作る。その道具を、わたしはただおもちゃのように使って遊んでいるだけ」とERIKA。ときには馬のように、船のように、宇宙船のように、その道具は使い手のERIKAによってさまざまな意味を付与される。「いえ、ストーリーはないのです。オリジナルな動きでそう見えるのなら、とらえ方は見ている人にまかせます」

 こんな風に自由なERIKAに対して池田には明確な主題がある。「どうすれば、この人の体が見る人の目にきれいに映るか」という点だ。もちろん、安全性を考慮したうえで、ERIKAが新しい表現を引き出せるような道具を作り出さねばならない。「パフォーマンスのさなか自分が予測もしなかったことが起きることもある。だから、作っていてもあきないのです」

   □    □

 ユニット名は100年使い続けた道具には精霊がやどって妖怪となる、という「付喪神(つくもがみ)」にちなんで付けられた。

 将来像として池田が意識しているのは、シルク・ヴォスト(フランスの現代サーカスを代表するカンパニー)のような存在。ショーとアートの融合から生み出される「あやしの世界」をアルファベット表記にしたのは、世界を意識すればこそ。

 もちろん、そのtuQmoのアートの新しい地平を切り開く挑戦は、まだ緒についたばかりである。

     

 tuQmoの会期中の公演問い合わせは、神戸アートビレッジセンター(電話078・512・5500、https://www.kavc.or.jp/ )。

     ◇

 【プロフィル】正木利和(まさき・としかず) 産経新聞文化部編集委員。大阪新聞から産経新聞社会部、運動部、部長を経て現職。運動部歴25年目となった秋、念願かなって美術担当に。好きなものは以下の通り。富岡鉄斎の絵、ジャランスリワヤの靴、よく墨のおりる端渓硯(たんけいけん)、勇敢なボクサー、寡黙な長距離走者。当コラムはスポーツとカルチャーの話題を中心にすることからネーミング。おみしりおきを。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ