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【がん電話相談から】舌がんの術後治療を行うべきか

 Q 69歳の母は、舌にしこりと出血があり、2カ月前、舌部分切除と頸部(けいぶ)リンパ節郭清を行いました。術後病理診断で、リンパ節に1ミリの転移が1個あり(節外浸潤なし)、原発巣の切除断端陰性で、舌がんステージIIIの診断でした。現在、月1回の経過観察中です。術後治療として放射線治療を希望していますが、主治医は再発時の選択肢として取っておきたいと言います。がん研病院ではどうですか。

 A 病気の治りやすさは主にがんそのものの性質(転移しやすい・しにくい、増殖のスピード、周囲への浸潤の起こりやすさなど)やがんの大きさ・広がりなどによります。前者は判別が困難ですが、後者は術前所見や画像診断、術後病理である程度分かります。大きく広がっているものは当然、切除しきれない細胞が発生している確率が高く、治りが悪いです。そのような患者さんでも、少しでも治る方が多くならないかという試みが術後治療です。

 臨床試験により、転移リンパ節の節外浸潤があり、切除断端陽性といった再発ハイリスクの患者さんに対しては、化学療法と放射線治療の同時併用治療が有用だと分かっており、頭頸部扁平(へんぺい)上皮がんでの術後治療の原則的な考え方になっています。しかし、この治療は殊に高齢の患者さんにはつらい治療である場合があり、副作用による粘膜炎や皮膚炎、後遺症としての嚥下(えんげ)困難、味覚障害、口腔(こうくう)内乾燥、腎機能などの臓器障害ほか、さまざまな副作用や後遺症を起こされる方もいます。

 がん治療は臨床試験で有効性が証明された治療を、必要かつ最低限行うのが原則です。予後予測因子として分かっていない要素も多く、術後治療も行えば必ず治癒するといったものでも、行わなくても大丈夫と言い切れるものでもありませんが、現在のところ当院でも、ご相談のような症例の多くは術後治療を適応しておりません。

                   ◇

 回答には、がん研有明病院の米川博之頭頸科医長が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック、産経新聞社)は、03・5531・0110。月~木曜日(祝日は除く)午前11時~午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。

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