PR

ライフ ライフ

中国、大気汚染に危機感 地方では規制緩和の動き

北京の人民大会堂に向かう中国全人代の人民解放軍の代表ら。深刻な大気汚染で遠方がかすむ=5日(共同)
北京の人民大会堂に向かう中国全人代の人民解放軍の代表ら。深刻な大気汚染で遠方がかすむ=5日(共同)

 【北京=西見由章】中国の習近平指導部が力を入れてきた大気汚染対策が困難に直面している。米国との貿易摩擦などにより経済減速が顕著となる中、一部の地方で経済成長を優先させる動きが出てきているためだ。隣国の韓国からは国内の“汚染源”として中国への批判が強まり、外交問題に発展しつつある。

 「情勢は楽観できず、相当緊迫している」。開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)に合わせて11日会見した李干傑・生態環境相は、2018年に338都市で微小粒子状物質「PM2・5」の平均濃度が前年比9・3%下降した成果を示しながらも、危機感を隠さなかった。

 国家統計局によると、338都市のうち約3分の2がいまだに空気汚染の基準値を超えている。汚染の原因となるため天然ガスなどへの転換を進める石炭の消費量も1・0%増と減少には至らず、エネルギー消費量全体に占める割合は59・0%に上る。ロイター通信は昨年10月以降、中国北部の39都市でPM2・5の平均濃度が13%上昇したと報じた。過酷な規制への“リバウンド現象”も表れているもようだ。李氏は「経済の下押し圧力が大きく、一部の地方が規制を緩めている」と問題視した。

 「締め付け」と「緩和」の混乱は、共産党指導部が発するメッセージにも表れている。李克強首相は5日の政府活動報告で、是正や改善が必要な企業には時間を与えて「単純で乱暴な措置」を避けるよう指示した。

 中国の大気汚染対策に対する韓国政界や世論の批判も強まっている。文在寅大統領が6日、中国から汚染物質が飛来し、ソウルなどの空気を汚染しているとの見方を示したことについて、中国側は「十分な根拠に基づく判断か」「問題の責任を外部に求めるべきではない」(陸慷外務省報道官)と反発を強めている。

 韓国側も収まらず、7日には一部の保守団体が在韓国中国大使館の前で抗議デモを行った。“空気問題”は今後、中韓関係に悪影響を与えそうだ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ