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【介護と福祉のこれから】「介護する」「してもらう」超えた交流 秋山正子さん

秋山正子さん(宮川浩和撮影)
秋山正子さん(宮川浩和撮影)

 訪問看護師の秋山正子さんは今後、介護が様変わりする予感がある。

 変化のきっかけの一つは、団塊の世代が介護を受ける年代に突入することだ。「情報を取捨選択し、どう生きるかを選択する人たち。誰かに頼って生きるのではなく、お互いに助け合って生きることを考えている」という。

 サービス提供の方法にも変化の兆しがある。日本の将来は、労働力不足や財政の逼迫(ひっぱく)などで非常に厳しい。その中で人生100年時代を生き抜くには、「若い人にも魅力があり、高齢者自身も生き生きと仕事と生活ができるような『循環』を生み出すことが不可欠」という。

 その観点から、「これからの介護・福祉の仕事を考えるデザインスクール」を実施する「スタジオ・エル」の手法には熱い期待を寄せる。

 「これまでの取り組みでも、当事者の悩みを聞くだけでなく、うまく働きかけて力を引き出してきた。さらに、引き出した力を組織化することで、町につながりが生まれ、それが魅力になってまた若い人が参画する。結果として、これからの町づくりまでデザインする。そこが、とても新鮮」と高く評価する。

 本来、当事者の意見を聞くことは、介護や福祉の基本だ。だが、介護事業者はしばしば、“制度ありき”になり、当事者の希望が置き去りになりがちだ。

 だが、秋山さんの体験では、「何もしたくない。死んだほうがましだ」と言う人にも、実はさまざまな思いがある。「聞くことが、その人の歴史を聞くことになり、長く歩んだ人生に敬意を払うことになる。話を聞くことで人に優しくなり、その中で“お互いさま”の心優しい仕掛けが生まれる」という。

 実際、今回のプロジェクトでも、若い介護職の面接や採用に、サービスの利用者である高齢者が携わる試みがあった。その過程で、両者には本音ベースの会話のキャッチボールと心の交流が生まれ、「介護する」「介護してもらう」を超えた関係を築いたという。

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