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【写】空蓮房で森澤ケン「意識の記憶」 一人きりで作品と対峙

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独特の空間で作品と向き合う
独特の空間で作品と向き合う

 茶室を思わせるにじり口をくぐり、白い玉砂利を踏みながら細い通路を進む。突き当たりの敷石で靴を脱いで室内へ。床にぽつんとイグサの座布団が置かれている。壁に展示作品。

 写真家の森澤ケンさんは元水泳選手で漁師だという。モノクロの作品が8点。泳ぐ人を水中から見上げるように撮影した写真、葉脈、波紋…さまざまな水のイメージが配されている。

 8畳ほどの真っ白な空間は、壁や床や天井の境目を消すように曲線が多用されたデザイン。対象との距離がつかみにくく、独特の浮遊感がある。写真と向き合いながら宙に浮かんでいるような感覚になる。

 「空蓮房(くうれんぼう)」は、東京・蔵前にある浄土宗のお寺、長応院の境内にある唯一無二の写真ギャラリーだ。住職で写真家の谷口昌良(あきよし)さんが平成18年から運営している。1人ずつ入室し、1時間単位の完全予約制。

 「作品を見るというのは、自分の心を見るということ。存在と認識について思いをめぐらせてもらうための空間です」

 展示する写真家と相談しながら内容を決めるそうだが、観賞というより体験と呼んだほうがいいかも。作品と対峙(たいじ)する自分を、いやでも見つめてしまう。多くの人は見た後に谷口さんと話し込んでいく。人生相談をする人もいるそうだ。

 芸術や文化に向き合うというのは、結局自分の価値観や美意識を見つめることに等しい。作品を媒介に内的対話が深まるのは、座禅の感覚に似ているかもしれない。芸術と哲学は、とても近いところにある。

 15日まで。水木金のみ。予約や問い合わせは、メールkurenboh@nifty.comで。(篠原知存)

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