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【追悼】ドナルド・キーンさん 童心もち続けた「鬼」先生 京都産大名誉教授・所功

 童心をもち続けながら日本の歴史と文学を深く広く研究され、良き日本が、まだ辛うじて残っていることに気付かせてくれた「鬼」先生に、感謝と哀悼の誠を捧(ささ)げたい。

 日本文学研究者で、東日本大震災後に日本国籍を取得した米コロンビア大名誉教授のドナルド・キーンさんが24日、心不全のため死去。96歳だった。

【プロフィル】所功

 ところ・いさお 昭和16年、岐阜県生まれ。名古屋大大学院修士課程修了、法学博士(慶応大、日本法制史)。著書に『伊勢神宮』など。

翻訳で日本と世界つなぐ

 ドナルド・キーンさんは翻訳を通して、マイナーだった日本文学を世界文学の中に位置づけることに貢献した。

 コロンビア大在学中の18歳のときに「源氏物語」の英訳に感銘を受けて以降、日本文学研究の道に進んだキーンさんは1950年代から日本の作品を翻訳。「国性爺(こくせんや)合戦(かっせん)」(近松門左衛門)、「方丈記」(鴨長明(かものちょうめい))、「徒然草」(吉田兼好)、「おくのほそ道」(松尾芭蕉(ばしょう))などを英語圏に紹介した。平安から江戸期の日記を読み解き、世界でもまれな「日記文学」を日本文学の特徴の一つとして扱った文学論「百代(はくたい)の過客(かかく)」は、キーンさんの功績だ。

 研究領域は現代作家にもおよんだ。没落貴族の家庭を舞台にした太宰治の代表作「斜陽」、三島由紀夫の戯曲集「近代能楽集」などを英訳し、海外で好評を博した。その後も、日常に潜む不安などをテーマにした安部公房の代表的な戯曲「棒になった男」、教育や人づくりの重要性を説いた山本有三の傑作戯曲「米百俵」を翻訳するなどして、日本文学が持つ魅力や普遍性を世界に紹介した。

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