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「私は日本と結婚」キーンさん死去、大きな贈り物残す

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2018年2月、自宅でインタビューに答えるドナルド・キーンさん=東京・西ケ原(酒巻俊介撮影)
2018年2月、自宅でインタビューに答えるドナルド・キーンさん=東京・西ケ原(酒巻俊介撮影)

 ちょうど1年前、旧古河庭園(東京都北区)の緑が見下ろせる自宅マンションで、ドナルド・キーンさんにインタビューする機会があった。

 近く生まれ故郷のニューヨークへ、3週間ほど旅する予定だという。「僕もあと4年ほどで100歳。旅はもうできないので、最後にニューヨークでオペラを聴きます」。里心がつかないかと問うと、「長い旅の最後は、いつも早く日本に帰りたいという気持ちになる」と笑顔を見せた。

 当時、キーンさんを日本文学研究の道へ誘ったアーサー・ウェイリー訳「源氏物語」を日本語に再翻訳したユニークな本が出たところだった。感想をうかがうと、目を輝かせて「非常におもしろいです」。自身を日本文学に導いた本が読み継がれることを喜んだ。

 東日本大震災発生直後、キーンさんが日本への帰化を表明したときに言った「日本人と共に生きたい」との言葉は多くの日本人の心を打った。被災地に向けた「必ず復興する。決して絶望してはいけない」というメッセージで励まされた被災者も多かっただろう。「私は『日本』という女性と結婚した。日本人は大変優秀な国民だ」とも話していたキーンさん。まさに日本にとっての恩人だった。

 「It’s possible to be happy here(今の日本で、僕は幸せ)」。インタビューでそう語ってくれたキーンさんの人生そのものが、日本人への大きな贈り物だった。(永井優子)

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