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瀬戸内寂聴さん「谷崎、川端、三島たちと交流し華やか」 キーンさん悼む

瀬戸内寂聴さん(永田直也撮影)
瀬戸内寂聴さん(永田直也撮影)

 日本文学研究者のドナルド・キーンさんが24日に亡くなったことを受け、過去に対談本を刊行するなどキーンさんと親交のあった作家、瀬戸内寂聴さん(96)がコメントを発表した。全文は以下の通り。

 ドナルド・キーンさんが亡くなった。方々から電話が来て、私が気を落としてどうかなっていないかと聞いてくれる。まるでキーンさんが私の愛人か血縁の人だったかのような気の遣い方である。

 私とキーンさんは、そのどちらでもない。しかしキーンさんとは、心が通い合い、親類づきあいのような親しさが生まれていた。キーンさんの誕生日は1922年6月18日で、私の誕生日は同年の5月15日だったので、私がほんの少しお姉さんということになる。

 キーンさんの文学的名声は、早くから日本文壇にはとどいていて、谷崎潤一郎や川端康成、三島由紀夫たちとも交流し華やかであった。

 名声だけを知っていた頃、ふとした縁で、キーンさんの謡(うたい)と仕舞(しまい)を見たことがあったが、その声の堂々とした立派さと、仕舞の見事さに呆気(あっけ)にとられてしまった。

 親しくなったのは、私が源氏物語の現代語訳を仕上げた頃で、キーンさんと親類づきあいのようだった中央公論社の社長、嶋中鵬二さんご夫妻の引き合わせで縁が出来、依頼会えば何時間も話しこんでしまう仲になっていた。私の寂庵(京都市右京区)にも来てもらったし、キーンさんの和式の住まいに招かれたこともあった。

 アメリカの旅から帰ったばかりのキーンさんと中尊寺(岩手県平泉町)の金色堂で対談したことは忘れられない。

 その時、はじめて歩く姿にふっと老いの影を見て、自分の老いも振り返ったことを覚えている。

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