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【写】池田宏写真集「AINU」 現代アイヌの日常を撮る

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〈新藤聡、矢沢永吉を歌う〉池田宏写真集『AINU』から
〈新藤聡、矢沢永吉を歌う〉池田宏写真集『AINU』から

 アイヌの血をひく人々を取材して、その肖像をまとめた。写真家の池田宏さんが刊行した写真集『AINU』(リトルモア)。アイヌといわれて多くの人がイメージするのは、独特の文様が施された衣装や古式舞踊や木彫りの熊だろうか。そういう象徴的な場面も撮っている。

 撮ってはいるけれど、本書では、そうではない写真もまた印象的だ。ジーパンや作業服、あるいは振り袖姿。AKB48にハマっていたり、カラオケで矢沢永吉を歌ったりする。学校に通い、スーパーで買い物。愛車をドレスアップして、音楽を楽しみ、公園で遊ぶ。考えてみれば当たり前で、日常とはそういうもの。

 池田さんが何の縁もなかったアイヌの人々の取材を始めたのは11年前。少しずつ知人を増やした。最初は「東京のカメラマン」と言われたそうだ。そのうちに「パパラッチ」と呼ばれるようになった。あだ名ができたのを喜んでいたら、ある時、一人の女性が「この人は池田宏さんと言うんだ」と注意してくれた。いまは多くの人に本名で呼ばれる。

 〈多くの出会(であ)いと別れに一喜一憂するばかりで、おまけのように写真があったような気がする〉

 長い時間をかけて築いた人間関係の厚みが、ページを繰るうちにしっかりと伝わってくる。

 共生社会を目指してアイヌを「先住民族」と初めて明記した新法案が先日、閣議決定されたばかり。巻末に〈現代アイヌの肖像〉として5人からの聞き書きが載っている。読むと〈生きづらさ〉が身につまされる。池田さんは言う。「写真集をきっかけに、いろんなことがつながってくれればいいと思います」(篠原知存)

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