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「奥村土牛」展 名品60点、巨匠101年の歩み

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「鳴門」1959(昭和34)年 山種美術館
「鳴門」1959(昭和34)年 山種美術館

 昭和を中心に活躍した日本画家、奥村土牛(とぎゅう)(1889~1990年)。穏やかな色彩と流麗な描線で生み出される作品は、清らかで温かみがあり、いまも人気が高い。生誕130年を記念する展覧会が東京都渋谷区の山種美術館で開かれている。

 同館は代表作を含む135点に及ぶ土牛作品を所蔵しているが、今回は厳選した約60点を展示。中でも最高傑作とされる大作「鳴門」が公開されている。70歳の作で、瀬戸内海の渦潮を題材にした。はけで幾重にも絵の具を塗り固めた深みのある複雑な絵肌。何でも吸い込んでしまうようなダイナミックな渦巻き。遠景に島が見えるものの余計なものは描かず、真正面から渦潮をとらえた。揺れる船上で妻に着物の帯を持ってもらい、写生を何十枚も描いたという。

 土牛は遅咲きだった。明治以来長い歴史を誇る公募展の院展に初入選したのは昭和2年の38歳のときだった。満開の桜を題材にした代表作「醍醐」は制作に10年近くを費やし、完成したのは80歳を過ぎていた。あでやかで堂々とした作品は、高齢になっても衰えていないことを物語っている。文化勲章を受章してからも地道に制作を続け、100歳を超えても絵筆を握っていた。60代の「城」など同館所蔵の名作とともに画業を振り返る。3月31日まで、月曜休、一般1200円。(渋沢和彦)

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