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【王位継承物語】代替わりへ向けて 新たな象徴天皇像模索 関東学院大教授・君塚直隆

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平成最後の一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻=1月2日午前、宮殿・長和殿
平成最後の一般参賀に臨まれる天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻=1月2日午前、宮殿・長和殿

 「陛下がおことばの中で『全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか』と御案じになられていることに、とても心を揺さぶられましたが…(中略)私といたしましては、陛下のお考えを真摯(しんし)に重く受け止めますとともに、今後私自身が活動していくのに当たって、常に心にとどめつつ務めに取り組んでまいりたいと思います」

 これは今からちょうど2年前の、平成29年2月21日に、皇太子殿下がお誕生日を前にした記者会見で述べられたおことばである。この前年の8月8日に「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」が、テレビ放映でのビデオ・メッセージを通じて、国民全体に陛下ご自身から告げられたことを受けての、皇太子殿下の率直なご感想であった。

 その同じ記者会見のなかで、皇太子殿下は、平安時代の嵯峨天皇(在位809~823年)以来、歴代の天皇が災害や疾病の流行に際し、自ら般若心経を写経・奉納され、国民を思い、国民のために祈るという行為を続けてきたことにも触れられた。それは平成の代にあっても、長崎県雲仙普賢岳の噴火(平成2年)に始まり、昨年9月の北海道胆振(いぶり)東部地震に至るまで、つねに被災者の許(もと)を訪れ、人々を見舞い、激励した天皇、皇后両陛下のお姿にも符合していよう。

 皇太子殿下は、「国民に常に寄り添い、人々と共に喜び、共に悲しむ」という両陛下の姿勢をご自身も続けていかれたいと強く表明された。

 天皇陛下が、昭和天皇とは異なる新たな公務として重要視した二本柱が、この自然災害の被災者訪問とともに、太平洋戦争で犠牲となった人々を国内外を問わず慰問した「慰霊の旅」であったことはよく知られている。

 皇太子殿下も、この二本柱を自らの方法で継承されていかれると同時に、「時代に即した新しい公務」についても考えておられることだろう。上記の記者会見でも、ここ10年ほどのご関心として「水」の問題に取り組んでいることに触れられて、「水」を切り口として、国民生活の安定、発展、豊かさや防災などに考えを巡らせていくこともできるのではないかと発言された。

 すでに国連が主催する「水と衛生に関する諮問委員会」では、同じくこの問題に関心をもつオランダのウィレム・アレクサンダー国王とタイアップされ、皇太子殿下は国際的に活躍もされている。昭和57年にブラジルを訪問されて以来、殿下は「お立ち寄り」も含めれば48回の外遊で延べにして97カ国も訪れている。さらに史上初めて海外での留学経験をもつ天皇にもなられる。それはまた新皇后になられる雅子さまも同様である。

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