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【主張】小中のスマホ解禁 頼りすぎる弊害が心配だ

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 小中学校で児童生徒の携帯電話やスマートフォンの校内持ち込みを解禁する動きが出ている。柴山昌彦文部科学相は「原則禁止」としていた同省の通知を見直す考えを明らかにした。

 災害時など緊急連絡に限って認めるにしても、携帯やスマホに頼りすぎて使い方を誤れば、かえって安全が損なわれかねない。使用ルールや情報の適正な扱い方などを家庭と学校で、しっかりと教えることが欠かせない。

 大阪府教育庁は、4月から府内の公立小中学校で認めることを決め、防災・防犯上の緊急時のみ使うことなどを盛り込んだ運用指針の素案を市町村教育委員会に示した。昨年の大阪北部地震が登校時と重なり、安否確認の手段として持ち込みを求める声があった。

 文科省はこうした動きを受けて平成21年に出した通知の見直しを検討する。教委や学校の判断で認める方向になりそうだ。現行通知は「教育活動に直接必要がない」などを理由に持ち込みを原則禁止としていた。高校については禁止を含む使用制限を求めている。

 携帯・スマホの所持率はこの10年ほどで小学生が約2割から約6割へ、中学生は約5割から約7割へと急速に高まっている。放課後、塾通いする子供との連絡手段で持たせる保護者もいる。

 文科省通知も、緊急時などのやむを得ない場合に例外を認めている。災害時の緊急連絡に使いたい保護者の気持ちは分かる。

 しかし、情報通信機器に頼りすぎる弊害も忘れてはならない。災害時は通信途絶が想定される。流言飛語やデマ(虚報)が飛び交う事態も過去に起きている。

 連絡が取れない場合、家族はどこに集まるか。スマホがないことを前提とした安全確保の術(すべ)を常に考えるべきなのは、相次ぐ災害からの教訓である。

 携帯やスマホを通したSNSやゲームへの依存も心配だ。現在でも深夜まで手放せない中高生らが少なくない。性や暴力など有害情報に触れるほか、犯罪に巻き込まれるケースもある。

 持たせるなら、家庭でも使用時間などの厳格なルールを決める必要がある。親の世代こそスマホを手放せない状況を見直す必要があろう。親も子も、スマホ画面を見るばかりで自ら考える習慣が備わっていないようでは、緊急時の安全確保はかえって危うくなる。

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