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虐待増加も背景 特別養子縁組の拡大方針

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 特別養子縁組の拡大方針は、虐待事案の増加などにより実の親と暮らせない子供が増えていることが背景にあり、識者らはトラブル抑止の一助にもなると期待する。一方、重大な決断をする子供のケアや、養親との関係構築を支援する体制づくりなど、課題はなお残る。

 厚生労働省が児童相談所などと行った調査では、制度の壁に阻まれ特別養子縁組を断念したケースは平成26、27年度に計298件にも上った。理由(複数回答)は「実親の同意要件」が7割近くを占め最多だった。

 実親との関係が消滅することから、特別養子縁組は「劇薬」とも称されるが、里親や児童福祉の関係者は「トラブルを抑止する効果もある」と明かす。児童養護施設「至誠学園」(東京都立川市)の名誉学園長で法政大学名誉教授の高橋利一氏は、「養子に出した子が成長すると、『働き手に欲しい。呼び戻したい』などと実親が主張し、トラブルになることがある」と指摘する。

 児童養護施設や乳児院に預けられている子供が全国に約3万人いる中で、特別養子縁組の成立は年600件前後にとどまる。加えて、親元で暮らせなくなるといった深刻な虐待事件も増加傾向にあることを勘案し、改正要綱では小中学生も対象とした。ただ、こうした年代の子供は、乳幼児と比べて実親との関係解消に心理的負担がかかるともいえ、支援体制の構築が求められる。

 改正要綱では、ハードルの一つとなっていた家庭裁判所の審判手続きの見直しも目指している。現在、特別養子縁組には実親の同意が必要で、審判の確定までいつでも同意が撤回できることが問題視されていたが、改正がなされれば、同意から2週間が経過すると撤回できなくなる。

 NPO法人「東京養育家庭の会」(新宿区)の青葉紘宇(こうう)理事長は、「改正は特別養子縁組に踏み切れなかった夫婦を後押しする。成立数は増加していくだろう」と期待を込める。

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