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【書評】書評家・大森望が読む『東京の子』藤井太洋著

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 無断欠勤しているベトナム料理店の女性スタッフを捜して、この東京デュアルにやってきた怜は、やがて、さまざまな人々の思惑がからみあう学生デモの計画に、否応(いやおう)なく巻き込まれてゆく。

 小説の中心テーマは雇用問題。しかし、深刻かつリアルなテーマに正面から挑みながらも、小説のタッチは、それこそパルクールの離れ業のように、あくまでも軽やかだ。

 怜がほんとうの自分をとりもどしてゆく過程を描く個人的な物語と社会的制度的な問題解決という大きな物語とを重ね合わせ、タイムリミット・サスペンスの枠組みの中で映像的なアクション(躍動する肉体)と同時進行させるクライマックスがすばらしい。読むと元気になる、まったく新しいタイプの東京小説だ。(KADOKAWA・1600円+税)

 

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