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【書評】批評家、関東学院大学講師・西村幸祐が読む『北朝鮮の漂着船 海からやってくる新たな脅威』荒木和博著

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『北朝鮮の漂着船 海からやってくる新たな脅威』荒木和博著
『北朝鮮の漂着船 海からやってくる新たな脅威』荒木和博著

 ■現実に目を開かせてくれる

 北朝鮮から多数の木造船が日本に漂着している。平成29年11月から30年2月まで3カ月で120隻が確認され、遺体も70体を超えている。その実態を本書は明らかにする。

 問題は29年11月から異常に増えていること。この年に北朝鮮はミサイル実験を繰り返し、大陸間弾道弾の発射実験と核実験まで行い、緊張が極限まで高まっていたからだ。

 同時に、なぜ日本に漂着しているのか全く分からないこと。燃料切れや故障も考えられるが、そんな単純な話ではない。漂着船の遺体が少な過ぎる。実際、29年11月に秋田で乗組員8人が保護される事案があった。5日後には北海道の無人島、松前小島で船が発見され、乗組員10人は島に滞留し詰め所の物品や洗剤、灯台のソーラーパネルまで窃盗していた。他の場所ですでに何人かが日本に上陸していると考える方が自然だ。

 著者は特定失踪者問題調査会代表で、500人以上の拉致の疑いが否定できない人物をリスト化している。警察庁の調査でも800人以上が挙げられているが、一般的な認知度は低い。

 漂着船の情報をなるべく国民に隠そうとする国の情報統制と理由が重なっているからだという著者は、23年から「1万キロ現地調査」も実施している。拉致被害者が連れ去られた現場や朝鮮総連元工作員が明かした北朝鮮工作船の上陸ポイントの調査だが、それが最近の漂着船発見場所と見事に重なっている。

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