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【酒蔵探訪~いばらき一献~】日立・椎名酒造 困難乗り越え、母子二人三脚の酒造り

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 茨城県日立市十王町を流れる十王川沿いに、母子二人三脚で酒造りに取り組む蔵元がある。「椎名酒造」の「富久心(ふくごころ)」は、社長の椎名美津子さん(65)がラベルを作り、次男の健二郎さん(36)が酒造りを担う。杜氏(とうじ)や蔵人の引き抜き、先代社長の死去…。困難を乗り越え、受け継がれた味は優しさと力強さを兼ね備えている。

 椎名酒造は現在、杜氏などを雇わず、健二郎さんが仕込みや醸造などを1人で行っている。かつては4、5人の蔵人がいたが、他の酒造に引き抜かれたという。「やむにやまれずですよ」。美津子さんは苦笑いを浮かべる。

 杜氏らが酒造を去っていったのは平成に入ってすぐ。平成2年ごろから健二郎さんの祖父で4代目の重直さんと、父親で後に5代目となった将人さんの2人で酒造りを始めた。機械を入れ替えるなどして態勢を整え、従業員に支払っていた給与を上質な酒米の仕入れに回した。同時に、高級酒「純米吟醸」造りの挑戦を決めた。

 約2年後、出来上がった純米吟醸の試作品の評判は上々。出荷本数などが読めなかったため、ラベルを業者に発注せず、美津子さんが障子紙に筆で必要事項を書いて販売した。すると、地元の愛飲者から「ノスタルジックで趣がある」「手作り感があっていい」と評判を呼んだ。

 現在でも純米吟醸や本醸造生原酒には美津子さんの毛筆文字をコピーしてラベルに使用している。美津子さんは「手書きラベルは『富久心』の顔。変えずにやっていきたい」と語る。

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