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【明治の50冊】(44)北原白秋『邪宗門』 並外れた語彙、感覚を言語化

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 派手な詩風は思想がないという批判も受けた。「明治時代、文学は自己発見のものという感覚が強かった。今の人も、これを読んで何が残るのかと思うかもしれないが、人間には思索と感覚の両面があってしかるべきだ」(今野教授)。

 明治末期の青年芸術家グループの懇談会「パンの会」でともに活動した詩人、木下杢太郎(もくたろう)は、『邪宗門』の詩を織物にたとえ、読者自身のイメージを重ね合わせることで、生きた詩が完成すると評した。

 「かわいい」「ざっくり言うと」「ぶっちゃけ」…。現代に氾濫する単調で粗っぽい言葉使用と白秋の詩歌は対極にある。今野教授はそうした状況を踏まえこう話す。「言葉ひとつ変えるだけで、イメージは大きく変わる。丁寧に言葉を使うとはどういうことなのか。あまり読まれているとはいえない『邪宗門』だが、だからこそ見直してみると面白いのではないか」(永井優子)

                     

 次回は11日、『ヰタ・セクスアリス』(森鴎外)です。

                     

【プロフィル】北原白秋

 きたはら・はくしゅう 明治18年、福岡・柳川出身。早稲田大学英文科中退。39年、「明星」に詩歌を発表し注目される。42年、初の詩集『邪宗門』刊行。大正7年、鈴木三重吉の児童雑誌「赤い鳥」創刊に協力。昭和17年、57歳で死去。

●=配の己が蛇のつくり

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