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【写】感じ取る悠久の営み 公文健太郎写真展「地が紡ぐ」

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公文健太郎写真展「地が紡ぐ」から
公文健太郎写真展「地が紡ぐ」から

 開催通知のメインビジュアルに使われている仮面の写真に惹(ひ)かれた。鬼の面だろうか。使い込まれ、あちこち色がはげている。造形の面白さにぐっと引き込まれ、気がつくと、これを手にしてきた人々の気配をたしかに受け取っていた。

 シリーズをじっくり眺めてみたくなって、東京・南麻布のエモンフォトギャラリーで開かれている公文健太郎さんの写真展「地が紡ぐ」を訪ねた。

 3つの異なる場所で撮影された展示作は46点。「能舞」という郷土芸能が伝わる下北半島で撮った「神事を受け継ぐ地」。活火山である茶臼岳の麓にある温泉街の湯治場を訪ねた「自然の恵みを享受する地」。そして生活雑器の生産地である波佐見焼の窯元が「ものづくりで生きている地」。

 人々の暮らしを追うドキュメンタリーなのだが、雪まじりの風の冷たさ、堆積した硫黄の質感、そして人々の無骨な手…その場の空気を丸ごと伝えてくるような力強い画面だ。

 青森、栃木、長崎。おそらく出合うこともなく、互いを意識することもない人たちが作品によって接続される。何げない風景でも、その「地」をしっかりと眺めることで、百年単位、千年単位で続く営みを感じ取ることができる。「地に足のついた」という言葉を連想した。会場で発売中の写真集には、写真家のこんな言葉があった。

 〈文字や言葉で明確に残されてきたものもたくさんあるが、その一方で多くの歴史は土地に染み込んで、形を変えながら土地によって紡がれつづいている〉

 13日まで、入場無料。日祝休。ギャラリーは03・5793・5437。(篠原知存)

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