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【アート 美】石川直樹写真展「この星の光の地図を写す」

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 ■知覚する旅 足跡たどる

 国内外を縦横に旅しながら撮影を続ける写真家、石川直樹さん(41)のこれまでの活動を紹介する写真展「この星の光の地図を写す」が東京・西新宿の東京オペラシティアートギャラリーで開催されている。人類史や地球史をめぐる冒険的で知的な旅を象徴する作品群は見ごたえ満点だ。(篠原知存)

 22歳のときに北極から南極まで人力で踏破したのが壮大な旅のはじまり。23歳で七大陸最高峰の登頂に成功。その後も世界各地を歩き続けている。

 「膨大な地域を旅しているので、とてもすべては見せられませんが、エッセンスを凝縮しました。世界は多様で豊かでいろんなものにあふれてる。それを少しでも感じてもらえたら」

 会場に入ると、極地の写真とともに旅についての文章が展示されている。次の部屋は暗めで、古代人が残した壁画を眺める。世界各地の洞窟壁画を訪ねた『NEW DIMENSION』のコーナーだ。

 続いて太平洋の島々をめぐった『CORONA』、ニュージーランドの原生林を歩いた『THE VOID』、そしてヒマラヤの8000メートル峰…。鑑賞者は、各地で石川さんの見てきたものを眺めることになる。ただ、世界の絶景や美景を集めたわけではない。

 「名所だから撮るとか、いい写真になりそうだから撮るとかではなく、自分の体が反応したときにシャッターを切る。苦しかったり気持ち悪かったりも含めて、自分の体が反応したら撮る。いつもそうですね」

 目的地はあるのだが、道中に心境が変化したり、身体的な負荷が掛かったりすると、見え方が変わる。それを撮る。シャッターチャンスを待ったりはしない。たとえば、富士山に登るとする。もちろんカメラを持っていくが、富士山を撮ろうとはしない。「そうではなくて、その場にいる自分と富士山との関係性を撮りたいと思う」。そういうスタンスだ。

 「今回の展示は、言ってみれば写真で描いた世界地図なんですけど、その地図というのはみんなが思い浮かべるようなかたちではない。距離がバラバラだったり歪(ゆが)んでいたりしている、自分だけが知覚した地図なんですね」

 旅の意味は、それぞれの内的な体験にある。だから人の数だけ地図がある。うっかりするとすぐに凝り固まってしまう価値観を揺るがしてくれるものを探して、人は旅を続ける。

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