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【編集者のおすすめ】『空をゆく巨人』川内有緒著 冒険へ一歩踏み出すために

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『空をゆく巨人』
『空をゆく巨人』

 「一歩を踏み出したら、それが冒険なんでねえの?」

 著者の川内有緒氏が本作の主人公の一人、志賀忠重氏に取材で初めて会った際、心をつかまれたという言葉です。

 福島県いわき市の会社経営者・志賀氏と、中国福建省出身の世界的現代美術家・蔡國強氏。国も育った環境も違うふたりがいわきで出会い、数々の「作品」を生み出してきました。本作は、その30年以上にわたる軌跡を描きます。

 砂浜に埋もれた木造廃船を掘り出した作品、海に導火線を置いて走らせた炎の作品など、蔡氏のスケッチを、志賀氏ら“いわきチーム”の人々が形にしていきました。彼らは蔡氏の数多くの作品制作に協力。そして、東日本大震災の翌々年に手がけたのが「いわき回廊美術館」です。美術館周辺の山々には、志賀氏が9万9000本もの桜の木を植樹する「いわき万本桜プロジェクト」を進めています。

 蔡氏や志賀氏は、私たちが「無理」「不可能」とひるむようなアイデアでも、まず一歩踏み出し、最善の策を考え抜いて実行します。しかし、本作は単なる両氏の成功物語ではありません。大きな冒険だけが冒険なのではなく、読む人それぞれが冒険への「一歩」を踏み出すきっかけを得られる作品だと思います。

 実際、読者から「共感できる」「気づきがあった」「決して諦めない心を学んだ」など数多くの反響を頂戴しています。この本を読んで、自分だけの「冒険」を発見していただけるのならば、これに勝る喜びはありません。(集英社・1700円+税)

 集英社学芸編集部・長谷川洋一

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