PR

ライフ ライフ

芥川賞・直木賞 選考会の経緯と講評

Messenger

 受賞理由について、林さんは「戦後から本土返還までの沖縄の歴史を非常な熱量で描いた」と総括。「登場人物のちょっとしたしぐさの描写にもリアリティーがあり、沖縄への愛を感じる」と指摘したうえで、「平成最後の年に、沖縄の方々が背負ってきた歴史のつらい部分もポップに描ける作家が出たのは、非常に大きなこと」と称賛した。

 続いて挙がったのは、今村翔吾さん(34)の「童(わらべ)の神」(角川春樹事務所)。平安時代、故郷を追われた主人公が童と呼ばれ差別された民たちとともに戦う歴史小説で、「敗者の歴史を面白いアイデアで描いた」と評価する声が多かった。ただ、「ゲームに似ている」などの理由で支持を得られなかった。

 織田信長の行動原理と配下の武将たちの心情を描いた垣根涼介さん(52)の歴史小説「信長の原理」(KADOKAWA)は、「信長と明智光秀の人物像にあまり新しい視線がない」として受賞を逃した。第二次世界大戦後のベルリンを主な舞台に、ドイツ人少女の冒険を描いた深緑野分(ふかみどり・のわき)さん(35)の「ベルリンは晴れているか」(筑摩書房)も、「ミステリー要素はないほうがよかった」として及ばなかった。

 森見登美彦さん(40)の「熱帯」(文芸春秋)は、謎の小説「熱帯」の秘密を解き明かそうとする人々の不思議な物語を描いた作品。「長すぎる」「イメージの迷路をグルグル回らされ、徒労感があった」と辛口の評価が並んだが、林さんは「森見さんは根強いファンが多い。ここでもうひと頑張りしていただければ」と期待を寄せた。(本間英士)

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ