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芥川賞・直木賞 選考会の経緯と講評

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 次点は、元実習留学生だった妻の思い出の地への旅を描いた高山作品。作品世界を徐々に現実からずらし異化する技術は好評を得たが、「物足りなさを感じさせる」との意見も付され、惜しくも受賞を逸した。

 いずれも初候補の残り3作には、辛い点が付いた。

 注目された古市憲寿(のりとし)さん(34)の「平成くん、さようなら」(文学界9月号)は作者自身を思わせる若手文化人が安楽死を望む筋書きだが、安楽死法が実現した架空の日本という設定が持つ批評性について厳しい意見が相次いだ。

 鴻池留衣さん(31)の「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」(新潮9月号)は、ウィキペディアの項目を使いながら偽史を展開するアイデアに対し「仕掛けが生かされていない」として選外に。砂川文次さん(28)の「戦場のレビヤタン」(文学界12月号)は傭兵(ようへい)の戦場での生死についての思弁を描くが、「新鮮さに欠ける」として支持を得られなかった。(磨井慎吾)

                   

 ≪直木賞

 □宝島 真藤順丈(じゅんじょう)さん

 ■戦後沖縄史を熱く描写

 直木賞は候補5作のうち、真藤順丈さんの「宝島」が受賞を決めた。会見した選考委員の林真理子さん(64)は「文句なしの受賞。平成最後の直木賞にふさわしい、素晴らしい作品を選ぶことができた」と太鼓判を押した。

 「宝島」は戦後の沖縄を舞台に、若者たちの群像劇を描いた長編小説。選考の初回投票で同作が圧倒的支持を集めたため、今回は2次投票を行わなかった。

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