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羽生九段ら「指し初め式」にぎやかに 将棋の世界に初春告げる

普段の真剣な表情と打って変わって笑顔で指し初め式に臨む羽生善治九段(右端)=東京都渋谷区の将棋会館4階「特別対局室」(田中夕介撮影)
普段の真剣な表情と打って変わって笑顔で指し初め式に臨む羽生善治九段(右端)=東京都渋谷区の将棋会館4階「特別対局室」(田中夕介撮影)
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 東西の将棋会館で今月5日、「指し初め式」が開かれた。将棋界に新年の幕開けを告げる恒例行事。羽生(はぶ)善治九段(48)の国民栄誉賞受賞や最年少棋士、藤井聡太七段(16)の活躍など昨年、大いに注目を浴びた将棋界だけに、ますますの飛躍を目指す、にぎやかな集まりとなった。

巨大な駒に祈願

 「指し初め式」は一年の幸福や健闘を祈念し、一局の将棋を棋士と関係者らが一手ずつ指し継ぐという伝統行事。

 東京は広瀬章人竜王(32)、高見泰地(たいち)叡王(えいおう)(25)、渡辺明棋王(34)、羽生九段ら、大阪は豊島(とよしま)将之棋聖(28)=王位=、斎藤慎太郎王座(25)、久保利明王将(43)らがそれぞれ出席した。

 東京では、式に先立ち将棋会館(渋谷区)の向かいにある鳩森(はとのもり)八幡神社で「将棋堂祈願祭」が行われた。棋士や関係者に加え、将棋ファンも参列した。

 祈願祭は境内の「将棋堂」の前で厳粛に行われた。昭和61年に日本将棋連盟が高さ1・2メートルの巨大な駒を奉納、これを納める堂が建立され将棋堂となった。その駒には、大山康晴十五世名人が揮毫(きごう)した「王将」の文字が書かれている。将棋堂の裏には将棋の上達などを願った絵馬が掛かっている。

 祈願祭では宮司が祝詞を読み上げ、連盟会長の佐藤康光九段(49)や広瀬竜王らタイトルホルダー、羽生九段らが榊を将棋堂に奉じ、今年一年の将棋界の隆盛などを祈願した。

 佐藤会長は「昨年は羽生さんの国民栄誉賞で始まり、若手棋士の活躍など非常に活気に満ちあふれた一年だったと感じています。本年も日本将棋連盟として将棋と日本文化の発展に邁進(まいしん)してまいりますので、引き続き交誼(こうぎ)をたまわりますよう、よろしくお願いします」と挨拶した。

あこがれの棋士と対局

 将棋堂祈願祭が終わると、将棋会館4階の特別対局室に移動し、「指し初め式」が始まった。

 床の間の上座に棋士が、下座に将棋関係者がそれぞれ座る。将棋連盟子供スクールの児童らの姿もあった。佐藤会長と児童とで対局は始まり、その後、指し継いでいく。将棋盤の近くに座っている人から順番に指す。

 普段は緊張で張り詰めた空気の対局室だが、この日ばかりは笑顔が広がった。対局に慣れない関係者があこがれの棋士の前で緊張する場面も見られ、駒を飛び越して角を移動させてしまう「角ワープ」の“反則”を指してしまう人も。対局相手の棋士が「それはちょっと」と苦笑いすると、対局室には大きな笑いの渦が沸き起こった。

 参加者全員で指し継ぎ、勝敗がつく前に終えるのが長年の慣習となっている。

幸先の良いスタート

 昨年、羽生九段(当時竜王)から竜王位を奪取し、羽生九段を27年ぶりの無冠にした広瀬竜王は2日後の7日に指されたヒューリック杯棋聖戦(産経新聞主催)2次予選の1回戦が自身の今年初の対局。「昨年はいろんな方から(竜王獲得の)お祝いの声をいただき、祝う会も多くあり、例年と違った。しかし、年末年始は今までと変わりませんでした」

 その7日の対局で勝利を収めた広瀬竜王。「年が変わって心機一転という気持ち。初戦は大事。幸先の良いスタートが切れました」と、ほっとした様子だった。(文化部 田中夕介)

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