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【健康カフェ】(144)運動不足 糖尿病や喫煙に匹敵するリスク

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 糖尿病で通院する60代女性は、食事療法は完璧ですが、運動を全くしません。運動するよう勧めても、「運動のし過ぎは体に悪いとテレビで言っていた」と聞く耳をもちません。

 確かに、近年の研究で、運動をたくさんしても健康への効果は頭打ちになったり、激しい運動が逆に体を害したりするといったことが報告されています。しかし、これらの研究の多くが運動量や運動強度が自己申告で、客観的な指標が用いられていません。

 これに対し、客観的な体力レベルと死亡率の関係を長期間観察した研究結果が昨年10月、米国の医学雑誌に発表されました。これは、米国人12万人を対象に、体力レベルの低い順から、低い▽平均以下▽平均以上▽高い▽エリート-の5段階に分け、平均8・4年の経過での死亡率を調べたものです。結果は、体力レベルが高ければ高いほど死亡率は低くなっていました。

 平均以下の死亡率は平均以上の1・4倍で、これは糖尿病や喫煙に匹敵するリスクです。また、低いの死亡率はエリートの5倍でした。さらに、エリートと高いの死亡率の差は、70歳以上でより顕著でした。

 体力レベルは、遺伝的な要因や運動以外の日々の生活習慣などにも影響を受けますが、普段どれだけ運動しているかが最も大きく関係します。この研究から言えることは、しっかり運動して体力をつけることで得られる健康上の利益は上限がないようで、特に高齢となってからも続ける価値があるということです。少なくとも楽しく運動できる体力があるのに、「やり過ぎは良くない」とか「年だから」といった理由で控える必要はなさそうです。

 糖尿病や高血圧などの病気や喫煙は寿命を縮めるため、私たちはこれらをリスクと捉え、治療や禁煙をするよう勧めます。これに対し、運動不足をリスクととらえる人はあまりいなかったのですが、糖尿病や喫煙に匹敵するリスクと認識した方がよさそうです。

 冒頭の女性には、運動のし過ぎを心配する必要はないことをお話ししました。そして、まずはじっとしている時間を少なくし、近所を散歩したりラジオ体操をしたりすることから始めるように勧めました。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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