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【新時代・第1部 日本はどこへ向かうのか】(1)科学力 日本人が足りない 研究室は外国人が仕切る。このままではノウハウが消える

 AI、5G、iPS…。めざましい技術革新は生活を豊かにし、われわれに新たな幸福の姿を示す。急速すぎる進展は担い手と他者の間にギャップを生み、混乱や対立さえ招く。少子高齢化が進み、働く人が失われていく日本は、この強力な武器を手にすることができるか。そして、どこへ向かうのか。元号が移る年に新たな針路を見つめたい。

 超高速の次世代通信システム「5G」は、自動車や家電製品などあらゆるモノやサービスがインターネットにつながるIoTの核心となる新技術だ。

 中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の幹部、孟晩舟(もう・ばんしゅう)容疑者が昨年逮捕された事件の背景には、5Gの覇権を狙ってしのぎを削る米国と中国の姿が見える。

 インターネットや衛星利用測位システム(GPS)の登場で世界が一変したように、科学技術で主導権を握れば、産業や社会の国境を越えた構造的な支配力を手にできる。新たな戦いの火ぶたが米中により切られたのだ。

 京都市左京区の近衛通に近い京都大医学部のA棟1階に、本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)の研究室はある。

 オマーン出身のムナ・アル・ハブシさん(32)が研究の手を休め、女性用のロッカー室に入ると、西方のメッカに向かい敷物の上で静かに礼拝を始めた。

 毎週、聖なる日とされる金曜日の昼になると、「ちょっとモスクに行ってきます」と、研究室を出て集団礼拝に向かうイスラム系留学生たちもいる。

 免疫学の研究で世界をリードする本庶研究室のメンバーは約30人。主力となる大学院生以上では過半数を外国人が占める。国籍は南アジアやイランなどの中東を中心に計7カ国に及んでおり、「多国籍研究室」での公用語は英語である。

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