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落ち込み止まらぬ雑誌 電子化路線も苦戦

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 今年の紙の書籍と雑誌の推定販売金額がピークだった平成8年の半分を初めて割り込む見通しとなった。ピーク時から20年あまり。出版市場の規模が半分以下に縮小することが確実になった主な要因は、2年連続で10%前後も売り上げが落ち込んでいる雑誌販売の不振だ。出版業界の屋台骨を長年支え続けた雑誌は、なぜ売れなくなったのか。

 出版業界では、雑誌の売り上げが書籍を上回る「雑高書低」時代が長く続いた。8年の雑誌の推定販売金額は1兆5633億円で、書籍(1兆931億円)の1・4倍だった。だが、インターネットの普及などによって9年に減少傾向に転じてからは落ち込みが止まらず、28年には41年ぶりに書籍と逆転した。

 30年には、性的少数者(LGBT)をめぐる表現で批判を受けた月刊誌「新潮45」が休刊。「別冊花とゆめ」「YOU」などといった人気漫画雑誌も部数減で撤退した。雑誌の不振は流通など関連業界にも影響を及ぼし、11月には出版取次最大手の日本出版販売とトーハンが、物流拠点などの協業の検討を始めた。

 雑誌不振の理由について、ジャーナリストの山田順さんは「少子化や団塊世代の引退などさまざまな理由があるが、最大の要因はデジタル化とスマートフォンの普及だ」と指摘する。スマホがあればその場ですぐ、手軽に情報が手に入る。「月刊や週刊で情報を入手するスタイル自体が時代遅れになっている」(山田さん)。

 出版社は雑誌の読み放題サービスを含めた「電子化」に活路を見いだそうとしているが、昨年の売り上げは「伸び悩んでいる」(業界関係者)という。山田さんは「既存の雑誌をそのままデジタル化するだけでは読まれない。現状では、雑誌は紙でも電子でも見放されており、休刊が続くのは避けられない」としたうえで、「出版業界は根本的なデジタルシフトを早急に図るべきだ」と語る。

 一方で、明るい兆しもある。出版科学研究所によると、今年は雑誌扱いになっている漫画単行本の落ち込みに歯止めがかかりつつあるという。同研究所は「海賊版サイトの危険性が周知されたことなどが影響している」と分析している。

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