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2018年の3冊 花田紀凱氏ら各ジャンルの専門家がおすすめ…平成を象徴する1冊も

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 ≪文芸

 ■書評家・石井千湖

 〔1〕ベルリンは晴れているか 深緑野分著(筑摩書房・1900円+税)

 〔2〕夏空白花 須賀しのぶ著(ポプラ社・1700円+税)

 ★問いのない答え 長嶋有著(文春文庫・790円+税)

 〔1〕1945年、ナチス・ドイツが戦争に敗北し、米ソ英仏4カ国の統治下に置かれたベルリンを舞台にした歴史ミステリー。独裁者がいなくなっても人々の苦しみは終わらない。差別と暴力の被害者が一方では加害者にもなる街の地獄めぐりを経て、主人公が至る境地に心を揺さぶられた。精神の自由は簡単に手に入らないが、仕方ないと流されず、あがいてみたくなる。

 〔2〕戦争で途絶えていた「夏の甲子園」大会が復活するまでの物語。球場は米軍に接収され、ボールすら足りないなかで、どうやって大会を実現させるか、元球児の新聞記者が奔走する。体を壊すほど必死にプレーする少年たちの姿を「感動」という言葉に置き換える大人たちのエゴなど、今年第100回を迎えた高校野球夏の甲子園の陰の一面を描いているところがいい。

 ★昭和の終わり、中学生だった私は初めてパソコンに触れた。平成の半ばにはインターネットを使うことが当たり前になり、やがてSNSでいろんな人とつながった。そんな時代に起きた秋葉原連続通り魔事件と東日本大震災。あのとき感じた恐怖と孤独、それでも続いていた日常が、この小説(平成25年)のなかに封じ込められている。

                   

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