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【話の肖像画】俳優・黒田福美(62)(5)友人として韓国に言いたい

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(斎藤良雄撮影)
(斎藤良雄撮影)

 〈30年以上に及ぶ韓国とのかかわりで同国政府から勲章を受けた。ただ、20年近く設置に尽力した朝鮮人特攻兵の慰霊碑を反日団体の抗議で撤去されるなど、シビアな面も見てきた〉

 慰霊碑の撤去で、改めて韓国は国是として「反日」を標榜(ひょうぼう)する国家だと再認識しました。

 抗日活動で命を落とした人たちの末裔(まつえい)は手厚く保護される。ただ、独立運動を実際に戦ったそうした人は国民の1%にも満たず、ほとんどが国の運命に従って日本人として生きた「庶民」です。

 時代の流れに翻弄されて戦争で犠牲になった若者らもそうです。彼らはその悲しみを共有する同胞にこそ弔ってほしいと思っているはずですが、残念ながら当の同胞の一部の人たちは理解しようとしない。

 でも、「親たちの心の傷や悲しみ」に共感する韓国の人々がいることも事実です。だからこそ、大勢の人々に支えられて、この慰霊碑が実現の一歩手前までこぎ着けることができたのです。

 〈「反日」に触れてもなお、かかわりを断とうとはしない〉

 昔から正義感は強いほうでした。中学の恩師が家庭訪問で母に「この子には何かがあると思うんです。何かは分かりませんが、そこを伸ばしてやりたい」と言ってくださったことがあります。先生は私の中に宿る才気のようなものを感じ取ってくださったのかもしれません。

 私は先入観だけで差別される韓国の現状が許せないし、だから日韓の溝に翻弄された朝鮮半島出身の兵士たちのために20年近くの歳月を費やせたという面もあります。

 つくづく、私と日韓との関わりは終わりがないと思います。これで肩の荷が下ろせるな、と思って到達点に来てみると、まだ先に道が続いているのが見える。そうやって韓国と過ごしてきた約35年でした。

 〈文在寅(ムン・ジェイン)大統領が慰安婦問題日韓合意を事実上無効化する方針を発表するなど、日韓関係はなお一筋縄ではいかない展開をみせている〉

 韓国で過剰な日本バッシングが絶えない理由の一つに、韓国で日本統治時代の良い出来事が徹底的に無視されていることが挙げられます。歴史の「事実」を否定することで、自らの国史や自国民の一部を否定せざるを得ないいびつな社会になっています。

 〈韓国と長く付き合ってきたからこそ、言えることがある〉

 事実を直視することは韓国の人たちにとっては苦しいことかもしれませんが、これだけ韓国にかかわってきて、そろそろ友人たる私にも何か言う資格があるだろう、と(笑)。

 かつて文化を共にしてきた者同士、歴史的相克から生まれる痛みや苦しみをいたわりあう間柄になってほしいと切実に思います。(聞き手 安里洋輔)

=次回は日本卓球協会強化本部長の宮崎義仁さん

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