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羽生善治竜王生んだ将棋道場閉所へ 八王子将棋クラブ

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八王子将棋クラブで指導する羽生善治名人(当時)=平成17年5月(八木下征男さん提供)
八王子将棋クラブで指導する羽生善治名人(当時)=平成17年5月(八木下征男さん提供)

 前人未到のタイトル獲得通算100期にあと1勝と迫った羽生善治竜王(48)を育んだ「八王子将棋クラブ」(東京都八王子市)が経営者の体調不良などで年内で閉所する。羽生竜王は「将棋の道の原点」だった道場に感謝の思いを寄せた。

 「羽生さんの将棋はいつもはらはらして…」。八王子将棋クラブを経営する八木下征男(ゆきお)さん(75)は、今回の竜王戦で広瀬章人八段(31)と攻防を繰り広げる“教え子”の戦いぶりを固唾をのんで見守っている。

 会社員だった八木下さんは将棋好きが高じて昭和52年、周囲の反対を押し切って退社し、同クラブを開いた。その翌年、姿を見せたのが小学2年生だった羽生竜王。「この子は将棋が好きだから習わせたい」と母親とともにやってきた。「おずおずとして、お母さんに背中を押されて入ってきたことを覚えています」

 初心者同然だった羽生竜王はここで将棋の腕を磨いた。急成長し、小学6年のときに小学生名人戦で優勝し、棋士養成機関「奨励会」に入会。中学3年で史上3人目の中学生プロ棋士となった。

 八木下さんは羽生竜王との出会いを「奇跡」と表現する。「小1で友達に将棋を教わり、おもしろくなった羽生さんは2年のときにここに来た。羽生さんが将棋に遭遇することがなかったら私との縁もなかった」

 飛躍した羽生竜王に憧れ、阿久津主税(ちから)八段(36)や中村太地(たいち)七段(30)ら後の強豪棋士たちもこの道場で研鑽(けんさん)を積んだ。

 週末で1日60~70人が将棋を楽しむ同センターだが、八木下さんはここ1、2年、体調不良が続き入居するビルも年明けから改修工事に。「自分で納得する仕事もできなくなった」と閉所を決断した。

 羽生竜王は閉所について「自分の将棋の道の原点の場所ですので寂しい気持ちもあります」とした上で「八木下さんは小さい子供でも通いやすい雰囲気をつくるのに尽力されており、感謝とご苦労さまでしたという気持ちを伝えたい」と話した。(田中夕介)

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