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「さよならミニスカート」 異色の少女漫画が異例の大ヒット中

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『さよならミニスカート』1巻の表紙(C)牧野あおい/集英社
『さよならミニスカート』1巻の表紙(C)牧野あおい/集英社

 少女漫画誌「りぼん」(集英社)に連載中の少女漫画「さよならミニスカート」(牧野あおい作)が、その異色さで注目されている。11月下旬に単行本の第1巻が発売されると10万部を超えるヒットになっている。

幅広く刺さる

 「異例」-。同誌は今年8月、同作の連載を始めるに当たり同作の試し読みなどができる特設サイトをインターネット上に公開。その中で同誌の相田聡一編集長は、同作について「異例。この連載は何があろうと続けていきます」という、まさに異例の声明を発表した。何が異例なのか。

 「『りぼん』の目標は、『面白い少女漫画』を載せること」と相田編集長。しかし、「『さよなら-』は、『りぼん』読者以外の層にも刺さると思った」ことから「異例」という言葉を使ったのだという。「男女問わず、この面白い漫画を広めたい」という思いを込めた。

アイドルも反応

 同作の主人公は高校生の神山仁那(かみやま・にな)。人気アイドルグループの中心メンバーだったが、握手会の場で見知らぬ男から刃物で切りつけられる被害に遭って引退。普通の高校生として暮らしている。ただし、女子で唯一スラックスで通学し、好奇の視線にさらされていた。

 連載が始まると、読者はSNS(会員制交流サービス)などで感想を次々と発信した。中には、現役のアイドル歌手らも混じっていた。

 関心の輪は広がり、11月下旬に単行本の第1巻が発売されると発行部数は10万部を超えた。

無関係な女子はいない

 「変質者恐がってるくせに、なんでそんなスカート短けーの?」「男に媚(こ)び売るために履いてんだろ?」

 男子生徒の発言に、仁那はすかさず返す。

 「スカートはあんたらみたいな男のために履いてんじゃねえよ」

 同作は、このように、身の回りに潜む性差別や無遠慮さをあぶり出すセリフ回しも話題だ。痴漢被害を受け流すよう求められる空気など、現実にありそうなエピソードも盛り込まれている。

 「このまんがに無関心な女子はいても、無関係な女子はいない」

 第1巻の帯に印刷されたキャッチフレーズは、重い意味をもつ。

代弁者

 「こういう作品を待っていた」「私たちがいいたいことを言ってくれた」

 担当編集者の守分(もりわけ)紘子副編集長によると、同誌編集部には小学5~6年生の児童を中心にメール、読者はがき、中には電話で多くの意見が寄せられているという。

 普段「りぼん」とは無縁の男性や、「10年ぶりに『りぼん』を買った」という大人の女性からの声もあった。守分さんは「多くの人に届いている手応えを感じる」と語る。

王道

 異色。しかし、守分さんによれば、同作はあくまで少女漫画の王道である「『一人の傷ついた女の子がもがき、苦しみながらも成長していく』という要素はブレずに進んでいきたい」という。

 そのうえで、「作者の牧野先生が描きたいと言っているのは、『女の子にはいろいろな生き方がある』ということ」と作品の本質を説明する。(文化部 本間英士)

 りぼん 昭和30年創刊の老舗少女漫画誌。同誌に連載された主な漫画は、「チャコちゃんの日記」(今村洋子)、「魔法使いサリー」(横山光輝)、「有閑倶楽部」(一条ゆかり)、「ときめきトゥナイト」(池野恋)、「ちびまる子ちゃん」(さくらももこ)など。

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