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【花田紀凱の週刊誌ウオッチング】〈698〉「移民の歌」を読め

『ニューズウィーク日本版』(12・11)の表紙
『ニューズウィーク日本版』(12・11)の表紙

 今週はぜひ、このリポートを読んでいただきたい。これだけ読めば十分と言っていいくらいだ。

 『ニューズウィーク日本版』(12・11)の「日本に生きる『移民』のリアル」。望月優大さん(ライター、「ニッポン複雑紀行」編集長)による11ページの力作だ。

 永住権をとり、30年近く日本で暮らす日系ペルー人夫婦。技能実習生として来日したが実習先から逃げ出した20代前半のベトナム人女性。「技術・人文知識・国際業務」ビザを持って町工場で働くエンジニア。28人の社員のうち10人のベトナム人を採用している金属加工業「上原精工」の本社工場長…。

 たくさんの外国人労働者たちに話を聞いた望月さんはこう書く。

 〈一人一人の外国人はこの国で定住するかどうかを決めてから日本にやって来るわけではない。こちらがいつか帰る短期の労働者だと高をくくっていても、本人たち自身もそれとは意識しないうちに時間は刻々と過ぎ去っていく。単身の労働者は母になり、父になり、人生の渦に巻き込まれていく。その大きな渦は、社会を簡単に設計できる、人の移動を簡単にコントロールできる、そう考える人々の思い込みをいとも簡単に吹き飛ばすだろう。

 移民は人間だ。言葉を話して、学んで、働く。どこに住むか、誰と暮らすか。一人一人が違っていて、一人一人が悩んでいる--〉

 彼らに対する望月さんの温かい気持ちが伝わってくる。

 「移民の歌」と大きく打った表紙がまた素晴らしい。

 このリポートを読んだ後に『週刊文春』や『週刊新潮』(ともに12月13日号)を開くといささかゲンナリする。

 「小室圭さんが急接近 NY女傑弁護士の正体」(『文春』)

 「『松野頼久元維新の党代表』別居の『美人妻』に『柔道家小川直也』は寝技をかけたか」(『新潮』)

 『文春』がなぜ毎週、毎週、この問題を取り上げるのかがわからない。読者的にはもう決着のついた話なのでは。(花田紀凱=月刊『Hanada』編集長)

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