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【本ナビ+1】栄華の影にわだかまる「恐れ」 ライター、永青文庫副館長・橋本麻里

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 蓄財、奢侈(しゃし)、殺生を重ねる身に、極楽往生が叶(かな)うのか。あるいは末法の濁世に、輪廻(りんね)の鎖で永劫(えいごう)につなぎ留められるのか。その心中に黒々とわだかまる恐怖--闇は、本来人々の救いとなるべくもたらされた「光」としての仏教が、必然として生じさせる双生児のような存在なのだ。

 人の心を照らし出す光とその影に生じる闇とのはざまに、単純に美しいとは言うことのできない、しかし抗(あらが)いがたい魅力を湛(たた)えたイメージが生まれる。

 役者が入れ替わり、時代が移ろう中で繰り返されていく同じ主題の変奏は、まるでバッハの「ゴルトベルク変奏曲」を聞くかのようだ。そして同じその螺旋(らせん)の中に、現代を生きる私たちもまた、捕らえられているのである。(ちくま新書・880円+税)

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