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【健康カフェ】(142)心血管病 糖尿病以外の危険因子も注意

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 糖尿病で通院する60代男性は、血糖値はいつも気にしていて、その結果か良好な数値を保っています。しかし、血圧や中性脂肪は数値が悪くても「前からこんなもの」と気にかけません。たばこも吸うので受診時にやめるように言うのですが、「そんなに長生きしないから」とまともに取り合ってもらえません。

 糖尿病の人は、脳卒中や狭心症といった心血管病を起こすことが多く、寿命も糖尿病がない健康な人に比べて平均で10年ほど短くなってしまいます。ただ、糖尿病でも心血管病の危険因子をきちんと管理できている人とそうでない人では差が出ることが、8月に発表された論文で示されています。

 これは、スウェーデンで27万人の糖尿病患者を対象に危険因子の管理状況と死亡率などとの関係をみた研究です。ここでの危険因子とは、血糖のコントロール▽血圧▽LDL(悪玉)コレステロール▽アルブミン(タンパク)尿▽喫煙-で、それぞれ目標値を逸脱していれば危険因子を1つ持つとしています。

 結果は、危険因子の数が多いほど死亡率や心血管病の発症率が高く、年齢が低いほどより顕著になっています。健康な人に比べ、55歳未満で危険因子が5つの人は死亡率が5倍、心筋梗塞が8倍、脳卒中が6倍の高さでした。危険因子として最も強く関係しているものは、心筋梗塞と脳卒中では高血糖で、死亡率では喫煙でした。一方、全ての危険因子が目標に達している場合、健常者に比べ死亡率や心筋梗塞などの発症率でほとんど差がありませんでした。

 糖尿病の人が高血圧や脂質異常になりやすいのは、いずれの異常も、内臓肥満を発端とした代謝異常によって引き起こされるからです。このため、糖尿病の人に高血圧が多いだけでなく、高血圧があると糖尿病になりやすいという関係にあります。

 糖尿病は血糖値を下げておくだけでは不十分で、血圧や脂質もきちんと管理し、禁煙しなければ治療の意義が薄れてしまいます。

 冒頭の男性にこうした話をしたところ、しぶしぶながらも「禁煙します」とのことでした。(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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