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「東北小説」が文学賞を席巻 方言の力に着目 都会の画一化への違和感映す?

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 芥川賞をはじめとする文学賞に「東北の風」が吹いている。東北弁のどこか素朴で力強い響きを生かした小説の受賞が相次ぎ、東日本大震災の被災地を描く作品も高い評価を得ている。

 山田詠美(えいみ)さんや綿矢(わたや)りささんらを輩出した公募の新人賞「文芸賞」(河出書房新社主催)。10月に都内で行われた贈呈式に臨んだ今年の受賞者2人は、ともに東北生まれの男性だった。

 「作品を土地が育ててくれる」と話す、日上(ひかみ)秀之さん(37)=岩手県宮古市在住=の同賞受賞作『はんぷくするもの』は被災地が舞台。客もまばらな仮設商店を続ける30代の主人公を、ツケを払わない客や盗品を寄付しようとする元同級生らが振り回す。日上さんの実体験も投影された一編から、被災地の人々の内面に巣くう不安が伝わる。

 日上さんは「(同じ被災地にいながら)被災していない人たちの心情にも焦点を当てて、その人たちの言葉への『救い』を書きたかった」と話す。

 東北の言葉と風景は最近の芥川賞を席巻している。今夏の受賞作、高橋弘希さん(38)の『送り火』は自身が生まれた青森が舞台。東京から転入してきた主人公の中学生と地元の少年たちとの危うい均衡を描く。前回受賞した若竹千佐子さん(64)の『おらおらでひとりいぐも』には岩手の方言が響いていたし、盛岡市在住の沼田真佑(しんすけ)さん(40)による前々回受賞作『影裏(えいり)』は岩手の雄大な自然を背景にした「震災小説」だった。

 〈あれだっきゃからす××ぐり××でかがしッコがわ××てな××だきゃ〉-。『送り火』では地元の老女の強いなまりもそのまま描かれる。「方言でしゃべられると疎外感がある。その意味でも面白い」と高橋さん。都会から地方へ来た主人公を取り巻く緊張感や不穏さを方言が増幅する。

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