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第34回正論大賞 受賞者「喜びの声」

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西修氏(宮川浩和撮影)
西修氏(宮川浩和撮影)

 第34回正論大賞のダブル受賞となった西修氏と百地章氏、第19回正論新風賞の楊海英氏が「喜びの声」を寄せた。

                   

【大賞】駒沢大学名誉教授・西修氏 幅広い視野で憲法改正案提起

 誠に光栄に存じます。私がこれまで唱えてきた憲法論について、評価いただいたと共に、激励を賜ったものと受けとめています。

 憲法を一言で表現すれば「国のかたちの基本を形成する法体系」であると考えます。このような憲法をさまざまの視点から究明していくのが、憲法学であると理解しています。それゆえ本来、憲法学は、広く憲法解釈、憲法成立史、憲法哲学、比較憲法、憲法政策などを包含します。けれども、わが国の憲法学は、憲法解釈に偏重し、しかも憲法をもっぱら「国家権力を制約する法規範」ととらえているので、非常に視野狭窄(しやきょうさく)的なものになっています。

 私は、憲法解釈を大切にしつつ、日本国憲法の成立過程、比較憲法、憲法政策の研究にも力を注いできました。憲法の成立過程については、主として昭和59年から60年にかけて、連合国軍総司令部(GHQ)で日本国憲法の原案を実際に起草した8人を含め、当時、存命していた日米関係者約40人に聞き取り調査をおこない、実情を把握することに努めました。また、極東委員会におけるすべての憲法審議録に目を通し、憲法9条の解釈と文民条項の導入との関係は、不可分であるとの結論に到達しました。

 比較憲法の研究対象として、世界の全憲法を視野に入れるようにしています。現在は189カ国の成典化憲法につき、比較研究を試みています。その検証結果に基づき、日本国憲法は世界で古い方から数えて14番目であること、70年以上にもわたり無改正の憲法は日本国憲法のみであること、世界の憲法のほとんどが平和条項と国防条項をセットとして取り込んでおり、とりわけ1990年以降に新しく制定された103カ国の全憲法に国家緊急事態対処条項が導入されていることなどを主唱しています。

 現代民主主義国家に共通する基準にのっとり、あるべき憲法を模索する憲法政策の探求において、憲法の歴史的研究や比較研究は不可欠であると考えます。私なりにいくつかの改正案を提起してきました。国家と国民は完全な対立関係にあるのではなく、協同関係にあるという基本認識のもとに、日本国および日本国民にふさわしい憲法構造を考えてきたつもりです。

 憲法改正論議が活発になってきている今日にあって、幅広い視野からの研究をさらに深め、これからも発言していきたいと思っています。今後ともご指導を賜りますよう切にお願い申しあげます。

【プロフィル】西修

 にし・おさむ 昭和15年、富山県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同大学院政治学研究科修士課程、同博士課程修了。政治学博士、法学博士。専門は憲法学、比較憲法学。米プリンストン大学、メリーランド大学などで研究。駒沢大学法学部教授を経て、現在は駒沢大学名誉教授。比較憲法学会名誉理事(元理事長)。第1次・第2次安倍内閣「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員などを務めた。『世界の憲法を知ろう』『証言でつづる日本国憲法の成立経緯』(近刊)など著書多数。産経新聞「国民の憲法」起草委員会のメンバーとして、平成25年に正論大賞特別賞を受賞。趣味は落語で、芸名は「またも家楽大」。

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