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【クレパス画名作展(下)】透明感ある色彩 仲田好江「バラ」

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仲田好江《バラ》1951年 サクラアートミュージアム蔵
仲田好江《バラ》1951年 サクラアートミュージアム蔵

 仲田好江は明治35(1902)年に大阪市西区土佐堀に生まれた。大阪府立大手前高等女学校を卒業後、小出楢重(ならしげ)(1887-1931年)に絵の手ほどきを受け、昭和2(1927)年に上京してからは安井曾太郎(そうたろう)(1888-1955年)に師事した。

 仲田は身近な静物をよく描いたが、それらの作品は油彩でありながら薄塗りのマチエールを特徴とし、水彩画のような独特の叙情性を湛えている。

 仲田は昭和26(1951)年にクレパスを使って《バラ》という作品を制作している。本作品は支持体の紙が見えるほどにクレパスを薄く引いて構成された画面が特徴的である。その結果、画面は水彩素描のような透明感のある色彩で覆われ、仲田の油彩画の小型版のような趣のある作品となっている。

 いうなれば本作において仲田はクレパスという画材を使用して、油彩における自身の様式を再現することを試みていると考えられる。その結果、鮮やかで強い発色とは違うクレパスの魅力が現れているといえるだろう。

 (奈良県立万葉文化館主任学芸員 安永幸史)

     

 特別展「クレパス画名作展」(産経新聞社など主催)は明日香村の県立万葉文化館( http://www.manyo.jp/ )で12月16日まで開催中。

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