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【クレパス画名作展(中)】質感生々しく 西岡義一「牛肉」

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西岡義一《牛肉》制作年不明 サクラアートミュージアム蔵
西岡義一《牛肉》制作年不明 サクラアートミュージアム蔵

 西岡義一(よしかず)(1922-2010年)は、奈良市出身の洋画家である。昭和18(1943)年に奈良師範学校専攻科を卒業。洋画家の田村一男(1904-1997年)に師事する。奈良教育大学の教授であり、奈良県展の審査員を務めるなど、県の文化面にも関わった。

 西岡義一の描いたクレパス画作品に《牛肉》というものがある。本作は縦長の画面に解体された牛肉が大きく描かれたものである。作品を構成する赤や白の色面には微妙な階調の変化がつけられ、それによって牛の赤身の肉や肋骨(ろっこつ)付近の脂肪などが生々しく描写されている。ただし、実際に本作品を目にすると、そうした写実描写以上に描かれた牛肉の持つ存在感を強く感じられる。

 本作品ではクレパスが非常に厚く塗り込められており、絵の具の盛り上がりを感じるほどとなっている。そのため画面からはクレパスの物質性を強く感じることになり、写実的な描写と相まって牛肉に物質的な生々しさを与えているのである。物質としてのクレパスの質感が表現へと転化した、優れた作品といえるだろう。

 (奈良県立万葉文化館主任学芸員 安永幸史)

     

 特別展「クレパス画名作展」(産経新聞社など主催)は奈良県明日香村の県立万葉文化館( http://www.manyo.jp/ )で12月16日まで開催中。

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