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「島の誇り、世界に」…来訪神の継承に光 文化遺産登録

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「来訪神 仮面・仮装の神々」のユネスコ無形文化遺産への登録が決まり、万歳して喜ぶ「男鹿のナマハゲ」や関係者=29日午後、秋田県男鹿市役所
「来訪神 仮面・仮装の神々」のユネスコ無形文化遺産への登録が決まり、万歳して喜ぶ「男鹿のナマハゲ」や関係者=29日午後、秋田県男鹿市役所

 島の誇りが世界に認められた-。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録が29日決まった「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」。多くの伝統行事が離島などで受け継がれ、過疎化により存続が危ぶまれてきた。今回の登録をきっかけに、行事の価値が再認識され、次世代への継承を後押しすることが期待される。

 「こんなに小さな島が世界に知られるのは、うれしい。普通に続けてきたことが評価され、驚きもある」。鹿児島県十島村で来訪神のボゼを継承してきた「悪石島(あくせきじま)の盆踊り保存会」の有川和則会長(66)はこう歓迎する。

 トカラ列島の悪石島は、ボゼに象徴される神々の島だ。鹿児島港から週2便しかないフェリーで10時間余り。人口わずか82人だが、神無月(10月)以外は神事が行われる。ボゼは盆踊りの最後に出現。観衆に赤い泥を付けようと追い回す。

 悪石島のある十島村は10年ほど前、無人島が増える危機に直面した。平成22年の人口は7つの有人島で計約500人。村は東京や大阪で定住者を呼び込むなど対策に取り組み、約700人まで回復させた。悪石島も5年前は55人ほどに減ったが、島外からの人々を受け入れて、一緒にボゼを盛り上げている。

 100年ほど前、台風の直撃で神事を延期したとき、島の総代は夜通しボゼの足音が聞こえて眠れず、翌日、神事を行うと足音が消えたという言い伝えも残る。有川さんは「ボゼは何があっても、やらないといけない」と話す。

 同県薩摩川内市の下甑島(しもこしきしま)で継承されているトシドンは、大みそかの晩に子供のいる家を訪れるのが特徴だが、近年の少子高齢化で訪問先が減少。島外から帰省中の家族が協力しては、伝統行事をつないできた。

 一方、「島の誇りを、自分たちの代でなくすわけにはいかない」と話すのは、同県三島村の「硫黄島八朔(はっさく)太鼓踊り保存会」の徳田保会長(64)だ。来訪神のメンドンは地元の人々の強い意志によって、次世代に継承されてきた。

 メンドンは旧暦の8月、八朔太鼓踊りの初日の夕方に現れ、夜中まで暴れ回る。人口126人の島だが、メンドンの時期には観光客も訪れる。徳田さんは「登録を島おこしにつなげたい」と語った。

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