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お笑いなし 吉本興業が沖縄で展開する芸術祭の意味

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「やんばるアートフェスティバル」(写真は昨年の第1回)
「やんばるアートフェスティバル」(写真は昨年の第1回)

 お笑いの吉本興業が12月、沖縄県北部の「やんばる」と呼ばれる地域を舞台に芸術祭を開催する。純粋に芸術のみを軸に、地域の観光資源を県外やアジアに発信しようという試みで、笑いを抜きにした企業活動の成否に関心が集まっている。

世界へ発信

 この芸術祭は、12月15日に開幕する「やんばるアートフェスティバル 2018-2019」(来年1月20日まで)で、昨年に続いて2度目の開催となる。

 「昨年の第1回では、約7万人を動員しました」

 傘下企業「よしもとアートエンタテインメント」で、同アートフェスティバルを担当する杉本裕一さんが説明する。

 杉本さんによると、昨年は大宜味村(おおぎみそん)を中心に、名護市、本部町(もとぶちょう)などで作品を展示。日本のほか、台湾、中国、韓国の観光客も訪れたといい、「やんばるの魅力を県内外のみならず、アジアや世界へ発信できた」と胸を張る。

委託事業

 今年も大宜味村、名護市、国頭村(くにがみそん)などで作品を展示する。

 昨年は絵本作家でもあるお笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣(あきひろ)さんが、自身の絵本「えんとつ町のプペル」を、やんばるで拾い集めたゴミを使って再現した作品で参加したが、今年はお笑い芸人の作品などはないのが違いだ。

 また、今年は「文化庁メディア芸術祭やんばる展 『見えるものと見えないものと』」も同時開催。同社が同庁事業を委託されるのは初めて。今年の芸術祭は、「吉本興業が、お笑いだけではなく、アート事業を実行できる企業となる指針」(杉本さん)という位置づけなのだ。

 新規事業分野への進出と同時に、将来的には芸人らと並んで芸術家のマネジメントを担うことも視野に入れている。

見どころ

 杉本さんによれば、この芸術祭は、「アーティストがやんばるに滞在し、空気を感じながら作品を制作をすることが多い」という。

 沖縄の工芸作品も多数展示する。「昨年のフェスティバルで展示した地元沖縄の作家の商品が東京などへ出ていく例も生まれた」(杉本さん)

 さらに、アジアからアーティストを招く。中国の著名な孫遜(スン・シュン)さんは、大宜味村立旧塩屋小学校の家庭科室を「居酒屋」に作りかえるインスタレーション(空間芸術)作品「小子居酒屋」を展開する。「孫遜がこのようなプロジェクトを行うのは世界的に見ても初めて」というから注目だ。

芸能の島

 同社は、今年で10回目を迎えた国際映画祭「島ぜんぶでおーきな祭」など、沖縄での事業を積極的に展開している。今年は、漫画やCG・アニメ、ダンスや歌唱などのパフォーマンスを学ぶ専門コースがある「沖縄ラフ&ピース専門学校」を那覇市で開校した。

 こうした一連の沖縄展開は、「沖縄全体をエンタメ産業創出の島にしたい」という大崎洋社長の構想に基づく。

 「もともと沖縄は、歌って踊る明るい芸能の島。明るいところにこそ人、モノ、金、情報は集まる」(大崎社長)

 アジアへの重要拠点でもある沖縄。芸術祭の成否が今後の同社の行方を占う。(文化部 兼松康)

 やんばるアートフェスティバル 2018-2019

【会期】12月15日~平成31年1月20日

【会場】沖縄本島 北部地域で開催

【入場料】無料

【問い合わせ】やんばるアートフェスティバル実行委員会運営事務局info@yaf-okinawa.com

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