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【羅針盤】放送大学・來生新学長 人生100年時代が求める生涯学習支援

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 テレビ・ラジオ放送をはじめ、オンラインや教室での対面方式など、さまざまな授業方法で学べる放送大学。多彩な講師や教員が授業を担当し、幅広いテーマを優れた教材で学べると評価が高い。“いつでも学べる”通信制ならではの魅力もあり、10代後半から101歳まで、約9万人の学生が在籍する。学び続ける大切さが注目される人生100年時代-。來生新学長に、生涯教育を支える教育機関としての課題と未来像について聞いた。

 --放送大学の学びの特徴とは

 「都合に合わせて学習時間の選択ができ、働きながら、子育てをしながら学べる。定年後の自由な時間を学習に使うこともできる。放送は視覚や聴覚にも訴え、学習の効率性を高める。オンラインは、教える側と教わる側の双方向のやり取りにつながり、理解度を確かめるテストや意見交換を前提とする教育に利用可能で、より一層充実させていきたい。30~50代を中心とした幅広い世代が、学び直しや資格取得、一般教養など、さまざまな目的で学んでいる」

 --データサイエンスといった最先端テーマに挑戦している

 「BS放送への完全移行などを背景に、“BSキャンパスex”というチャンネルで自由なコンテンツが提供できるようになった。従来の授業ではカバーしきれなかった問題を補完し、放送科目収録後の世界の変化や最先端テーマに取り組める。多くの人が通信制教育に期待する資格取得や資格更新分野などでも、コンテンツを提供し、学びの付加価値を増す工夫ができるのではないか」

 --時代を読み、新たな学びを提供する難しさとは

 「教養学部一学部からなる大学として、35年間教育を行ってきた。遠隔教育で、通学制の大学に通えない人に学士や修士、博士の学位を与え、教養教育の普及・発展に貢献してきた。しかし、大学教育の体系性と時代の流れを読んだ情報提供は、十分に調和できない側面があった。今後は、大学教育としての教養教育を展開する一方、時代が求める新しい教養が何であるのかを探り続け、それに弾力的に答える形でコンテンツにしていく努力、そのコンテンツを持続的に提供できる経済的基盤の構築も必要となってくる」

 --人生100年時代に注目される生涯教育。描く未来像とは

 「人生100年時代は、情報爆発ともいわれる情報の急激な増大の時代でもある。社会の人に対する評価は、過去に獲得した知識や学歴を基準とするのではなく、知識や経験をいかに学び直すのか、その努力を続けているのかを基準にするものに変わっていく。生涯学習支援は、膨大な情報を自己の目的に沿った知識として体系化し、更新し続け、多様な生きる目的に対応する能力につなげていくこと。そのためには、放送大学そのものが、新たな時代にマッチする教育の技法を着実に磨いていかなければならない」(構成・宮田奈津子)

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【プロフィル】來生新

 きすぎ・しん 1970(昭和45)年、北海道大学法学部卒業。75(同50)年、同大大学院法学研究科博士課程単位取得退学。横浜国立大大学院国際開発研究科教授、同大副学長などを経て、2009(平成21)年に放送大学教授に就任。同大副学長などを経て、17(同29)年から現職。71歳。

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