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【松本真由美の環境・エネルギーDiary】カーボンゼロ社会への布石を打つ 山梨・米倉山の水素・燃料電池研究開発拠点を訪ねて

「ゆめソーラー館やまなし」の外観=甲府市
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 甲府市の南部、米倉山にある水素・燃料電池の研究開発施設を先日、視察してきました。山梨県内には、燃料電池関連の最先端の技術開発を行っている山梨大学などの研究開発拠点があり、同県は水素ステーションの誘致や燃料電池車(FCV)の普及促進を図りながら、水素・燃料電池産業の集積地「やまなし水素・燃料電池バレー」の実現に向け、積極的な取り組みを進めています。

 ■10年前から始まった構想

 同県は、「山梨燃料電池実用化推進会議(現:やまなし水素・燃料電池産業化推進会議)」を平成21年に設立し、水素・燃料電池バレーの実現に向けた取り組みの方向性について意見や情報交換を行ってきました。27年には、県内の関係機関からなる「やまなし水素・燃料電池ネットワーク協議会」を設立し、産学官が連携した取り組みを推進しています。「水素エネルギーの利用拡大」「CO2フリー水素サプライチェーンの構築」「水素・燃料電池関連産業の振興」が42年度に向けた取り組みの柱となっています。

 山梨県内には現在、商用水素ステーションとして28年2月にオープンした「イワタニ水素ステーション甲府」がありますが、「山梨県燃料電池普及促進計画」(26年7月策定)に基づき、水素ステーション整備設置事業費補助金として、整備費の4分の1(上限9500万円)、土地賃借料の全額を10年間助成し、事業者の誘致を進めたものです。普及初期段階の需要を喚起するため、FCV購入者への助成制度も創設し、10台を対象に1台当たり50万円の補助を行い、県の公用車としてもトヨタ自動車のFCV「MIRAI(ミライ)」を3台導入しています。27~37年にかけて、FCV800台、燃料電池バス(FCバス)10台を県内に導入する目標を掲げています。

 ■米倉山の研究開発拠点

 今回は、トヨタのFCバス「SORA」に試乗し、米倉山にある水素・燃料電池関連の研究開発施設を訪ねました。ここには、P2G(Power to Gas)システム(再生可能エネルギーの電力を水素に変換、貯蔵、利用する技術)の開発や、水素ステーションの安全運用技術などの拠点が集まっています。

 山梨県は全国有数の日射量を誇ります。その地域特性を生かし、米倉山で1万キロワット)10メガワットの大規模太陽光発電所を同県と東京電力が共同で運営しています。

 この発電所に隣接する県営のPR施設「ゆめソーラー館やまなし」には、大型モニターによる情報展示やマルチスクリーンシアターがあり、次世代エネルギーや地球温暖化対策について楽しく学べるようになっています。PR施設は、再生エネの導入拡大に向けた、出力変動抑制技術などの研究開発拠点と位置付けられています。

 また、PR施設内で使用するエネルギーは自給自足で賄っています。冷暖房には、地中熱ヒートポンプ(地中から熱エネルギーを集め、冷暖房などに利用する技術)が導入され、電力は屋上に設置した太陽光パネル(20キロワット)や雨水を利用した小水力発電でつくった電力を利用しています。太陽光は季節や時間によって発電量が変動するため、安定的に電力を確保する手段として、バッテリー蓄電のほか、余剰電力を利用し水電解装置で水素をつくって貯蔵し、必要な時に燃料電池で電力をつくっています。

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