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【介護と福祉のこれから】「畑のにおいが懐かしい」農業と介護の連携に注目

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 農業で生き生き

 今は農業との連携も模索する。市の高齢化率は約38%で、施設周辺には空き家や耕作放棄地が目立つ。「土地を活用し、ちょっと元気な高齢者と障害のある人が一緒に働き、いずれ賃金を得られるといい」と、農業を行う法人を立ち上げた。水田ではコメ、畑ではニンニクやズッキーニ、ナスやピーマンを作る。事業所で利用し、販売もする。

 介護サービスを利用する高齢者らは農家の出身者が多く、身近に農業があるだけで生き生きとする。水田の様子を気にして、「雑草を取らないと」「そろそろ刈り入れだ」と、つい口が出る。天気が良い日は畑に出かけ、気が向けば夕食用の収穫も。認知症で要介護2の女性(87)は「ニンニク畑の土のにおいが懐かしかった。もう作業は無理だが、おいしいお米をいただいています」という。

 地方都市では農林水産業が衰退し、地域経済で医療や介護事業の比重が増している。だが、その構造では地域経済の活性化は望めない。経済をうまく循環させる「農福連携」の取り組みが注目される。

 若者を呼び込む

 高橋さんも、介護される人がサービスを受けるだけでなく、できる範囲で生産活動にも携わる“半農半介護”を目指す。

 介護職の佐々木諒太さん(26)は「ここでの介護は利用者と距離が近く、自由度が高い」と言う。専門学校時代に介護研修に通った特別養護老人ホームは一日の予定がびっしり。仕事に魅力を感じられず、一時は介護以外の就職先を探した。

 だが、知人の紹介で里・つむぎを知って就職。ここで看取(みと)りも体験した。死を前に、入居者と家族が過去の隔たりを埋めていく過程を見て、人生の節目に立ち会う介護職のやりがいも知った。「気づいたら7年目。面白い仕事だと思う」(佐藤好美)

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